2030年・教育振興基本計画 技術革新やグローバル化に対応

中教審の教育振興基本計画部会(北山禎介部会長)は昨年12月19日、第9回会合を開き、「第3期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方(素案)」について議論した。同部会は、昨年4月に文科大臣の諮問を受けて設置。特に、2030年以降の社会の変化を見据えた教育政策、すなわち近未来のわが国の教育の在り方を明らかにしている。答申は平成29年中。

素案は、(1)教育をめぐる現状と課題(2)今後の教育政策に関する基本的な方針(3)国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保——の3つから成る。

第1の「教育の目指すべき姿」では、「自立した人間として、主体的に判断し、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材の育成、一人一人が活躍し、豊かで安心して暮らせる社会の実現、社会(地域・国・世界)の持続的な成長・発展」を挙げ、特に「社会の現状や2030年以降の変化等を踏まえ、取り組むべき課題」としては、少子高齢化の進展に伴う就学・就業構造の変化、技術革新やグローバル化の進展に伴う産業構造や社会システムの変化、子どもの貧困など格差の固定化の是正などを挙げている。

第2の「今後の教育政策に関する基本的な方針」では、次の5項目を列挙している。

▽夢と自信を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力の育成=課題を抱えた人を含む全ての人に対して、確かな学力、豊かな心、健やかな体など、よりよい人生を送るとともに、社会に主体的に関わるための基礎基本を学校・地域が連携・協働して保障していくこと、自らの可能性に挑戦していくことを促す。

▽社会の持続的な発展を牽引するために必要となる力の育成=基礎・基本を前提に、優れた才能の伸長を含めて、それぞれの得意分野での個性や能力を最大限に伸ばす。

▽生涯学び、活躍できる環境の整備=働きながら学び直すことや、障害者の自己実現を目指す生涯学習の推進、人生100年を見据えた「二つ目の人生を生きる力」の養成など、全ての人が継続して学習できる環境を整備する。

▽誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティーネットの構築=家庭の経済状況や地理的条件などにかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての人びとが、質の高い教育を受けられるようにする。

▽教育政策推進のための基盤整備=教育政策を推進するために、良好で質の高い教育基盤を整備する。

第3の「国民・社会の理解が得られる教育投資の充実・教育財源の確保」では、教育の目指すべき姿の実現に向け、教育再生を進めていくためには、教育投資の効果や必要性を社会に示して「教育は未来への先行投資であるという理解を醸成し、財源を確保しつつ、教育投資を充実することが不可欠であり、その在り方について、今後、教育振興基本計画部会において検討を深める」としている。

現行の第2期教育振興基本計画は、「自立」「協働」「創造」を基軸とした新たなモデルを実現するための生涯学習社会の構築を旗印として、教育政策が推進されてきたといわれる。

それでは、第3期の教育振興基本計画は、何を旗印とするのか。「技術革新」「グローバル化」が有力候補であるのは間違いないであろう。

当面は、次期学習指導要領の円滑な推進に役立つような教育振興基本計画としての役割を発揮してらいたい。

あなたへのお薦め

 
特集