教員の資質向上で指標 自治体・学校の取り組み前向きに

中教審教員養成部会は、1月17日の部会で「公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標策定に関する指針」(素案)について議論した。新しい指標は、教員の養成・採用・研修を通じた新たな体制整備を構築するため、教育公務員特例法等の一部改正法案が国会で成立(平成28年11月18日)したのに伴い策定するもので、この4月から発効する。

この法律は、「教員等の任命権者(教育委員会等)は、教育委員会と関係大学等とで構成する協議会を組織し、指標に関する協議等を行い、指標を参酌しつつ、校長及び教員の職責、経験及び適性に応じてその資質の向上を図るための必要な指標を定めるとともに、指標を踏まえた教員研修計画を定める」というもので、新たな手法による「教員の資質向上のための指標」として注目される。

新たな指標策定に踏み切ったのは、次期学習指導要領の趣旨を実現するために必要な「教員の資質向上」の方向性を示すことが重要との考え方からで、具体的には、(1)目指す資質・能力の3つの柱(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力・人間性など」)を踏まえた新たな時代に求められる資質・能力の育成(2)教科横断的な視点に立った「カリキュラム・マネジメント」の実施(3)「主体的・対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善)(4)学習評価の充実——の4項目を挙げている。

また「教員の資質向上」を図るに当たり、「踏まえるべき基本的な視点」としては、社会変化の視点、近年の学校を取り巻く状況に係る視点、家庭・地域との連携・協働の視点、個々の教員等の成長の視点、チーム学校の視点を掲げている。

その上で、指標策定に当たって配慮すべきこととして、「指標は教員等が担う役割が高度に専門的であることを改めて示すとともに、研修等を通じて教員等の資質の向上を図る際の目安として、教員等一人一人が教職キャリア全体を俯瞰しつつ、それぞれの段階に応じてさらに高度な段階を目指し、効果的・継続的な学びに結びつけることが可能となる体系的なものとする必要がある」としている。

一方、管理職に配慮すべきこととしては、「校務や園務をつかさどる校長及び園長は、学校組織のリーダーとして、教育者としての資質のほか、的確な判断力、決断力、交渉力、危機管理を含む組織のマネジメント力が求められていることを踏まえ、他の職とは明確に区別できるよう留意する必要がある」と指摘している。
また複数の指標策定が可能な例として、「例えば、教諭から主幹教諭を経て管理職に至り学校運営を担う者、教諭から指導教諭に至り学校内において他の教員の指導を担う者、生涯教諭としての職務を全うし、特定の分野においての知識・技能等を極める者等、様々な者が存在することを踏まえ、同一の職においても複数の指標を策定することも可能である」としている。

その上で、「指標の策定後、実際に指標に基づく教員等の資質向上を図るに際しては、教育関係者や民間企業等も含めた協力体制を整備することが重要である」などと強調している。

文科省では、教員育成指標の参考例として、宮城、栃木、大阪、島根、熊本の5府県、仙台、横浜の2政令市を挙げているが、各地方教育行政・学校は、これらの事例を参考に、新たな指標づくりに取り組んでほしいものである。

あなたへのお薦め

 
特集