フリースクールの役割 公教育の在り方に一石投じる

文科省は1月30日、第14回「フリースクール等に関する検討会議」(永井順國座長)を開き、最終報告の取りまとめに向けた議論を展開した。

同検討会議は、政府の教育再生実行会議の第5次提言「今後の学制等の在り方について」(平成26年7月3日)で、「国は、小・中学校における不登校の児童生徒が学んでいるフリースクールや、国際化に対応した教育を行うインターナショナルスクールなどの学校外の教育機会の現状を踏まえ、その位置付けについて、就学義務や公費負担の在り方を含め検討する」とされたのを受け、27年1月27日に設置された。

ここで取り上げられた検討事項は、主に、(1)フリースクール等での学習に関する制度上の位置付け(2)子供たちへの学習支援の在り方(3)経済的支援の在り方――の3項目である。

これらの検討事項については、14回にわたる会議で、民間の団体や教委、関係機関などから、さまざまな取り組みや意見聴取をしてきたほか、不登校経験者や保護者からヒアリングを行うなど、幅広く意見を聴くことに努め、昨年7月に、審議経過報告を公表。これらを経て最終報告の取りまとめに漕ぎ着けた。

不登校への対応の在り方については、同検討会議設置と同じ日に「不登校に関する調査研究協力者会議」が設置され、昨年7月に最終報告が公表されている。

この調査研究協力者会議では、「不登校に関する施策全般」について検討が行われたが、前述の検討会議の方は、不登校に関する施策の中で、特に、「長期に不登校になっている義務教育段階の児童生徒への学校以外の場での学習等」に対する支援に焦点を当てて検討してきた。

最終報告案の内容は、▽現状・課題および基本的な方向性▽教育委員会・学校と民間の団体等の連携等による支援の充実▽家庭にいる不登校児童生徒への支援の充実▽支援体制の整備▽今後の検討課題――の5章から構成されている。

通読して感じたのは、検討事項の1つである「子供たちへの学習支援の在り方」では評価できる施策が提案されているが、「制度上の位置付け」「経済的な支援」については「今後の検討課題」として先送りされた感は否めない。

このうち、注目される「制度上の位置付け」については、「不登校児童生徒が小・中学校などに在学しながら民間の団体などに通っているという、制度と実態とのずれがあるという課題も指摘された」「この点については、義務教育制度と関わる課題であり、今後、本報告で提言した教育委員会・学校と民間の団体等との連携や訪問型支援の推進などにより、学校以外の場での学習がどのように充実されていくかを見定めていく必要がある」と述べるにとどまっている。

今後、さらに踏み込んだ提言を期待したいものだ。

この最終報告案について各委員からは、「フリースクールを制度上に位置づけようとの試みは、これまでになかった。今後の公教育の在り方に一石を投じるものだ」「NPO法人のフリースクールを敵対視する時代もあった。今後は、学校外の教育を担う重要な教育機関となろう」など、積極的に評価する意見も目立った。

近く公表される最終報告を不登校問題の解決はもとより、教育行政と民間教育機関(NPOなど)との連携や協働などの指針となるものに仕上げてほしいものである。

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