第2次学校安全で答申 「地域社会」との接点の検討を

中教審は2月3日の総会で、松野博一文科相に「第2次学校安全の推進に関する計画の策定について」答申した。第2次計画は、第1次学校安全計画(平成24年度〜28年度)が今年度で終了するために、昨年4月に文科相から諮問を受け、新たな5年間(29年度〜33年度)の施策の基本的な方向性と具体的な方策を検討してきたもの。

答申は、「児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題」「今後の学校安全の推進の方向性」「学校安全を推進するための方策」の3章から構成。学校安全の現状と課題を的確に指摘するとともに、その推進方策の具体的な提示に努めている。

第1章の「児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題」では、「全体(犯罪被害、交通事故、自然災害)として児童生徒等が巻き込まれる事故等は減少しているが、いまだに児童生徒等の安全が十分に確保されているとは言い難い」と現状を分析するとともに、その課題として、「地域間・教職員間に差がある」「すべての学校で質の高い学校安全の取り組みが求められている」「学校安全に関するPDCAサイクル(計画、実行、評価、改善)を構築し、対策を着実に実行する」などを求めている。

第2章の「今後の学校安全の推進の方向性」では、「学校安全に関する組織的取組の推進」「安全に関する教育の充実方策」「学校の施設及び設備の整備充実」「学校安全に関するPDCAサイクルの確立を通じた事故等の防止」「家庭、地域、関係機関等との連携・協働による学校安全の推進」を打ち出した。目指すべき姿の方向性として、「すべての児童生徒等が安全に関する資質・能力を身に付ける」とともに、「学校管理下の児童生徒の死亡事故の発生件数を限りなくゼロにする」のを示した。

施策の目標では、「すべての学校で管理職のリーダーシップのもと、学校安全の中核となる教職員を中心とした組織的な学校安全対策を構築する」「すべての学校で、学校安全計画及び危機管理マニュアルを策定する」「すべての学校で生活安全、災害安全、交通安全すべての観点から通学・通園路の安全点検を行う」など、組織的な取り組みの推進を強調している。

第3章の「学校安全を推進するための方策」では、第2章で挙げた5項目に関する方向性について、それらの具現化に向けた方策を展開している。具体的には「学校における人的体制の整備」を求めるとともに、「学校安全計画及び危機管理マニュアルの策定・検証の徹底」「学校安全に関する教職員の研修及び教員養成の推進」を打ち出している。このうち、「安全に関する教育の充実方策」では、最近、注目されている「カリキュラム・マネジメント」の確立を通じた系統的・体系的な安全教育の推進を掲げている。

この答申では、学校安全を推進する上で「組織的な取組」を強調している。家庭と地域社会の協力・連携に期待したいが、どんな形で地域社会との接点を見いだし、具体化するかは、今後の大きな課題としてさらに検討してほしい。答申については2月18日までパブリックコメントが行われる。

セキュリティーの古英語は語源を反映して「不注意」を意味していた。そこから、主人が特に注意しなくても安全でいられる状態を示すようになった。学校安全には、(1)生活安全(2)交通安全(3)災害安全の3側面がある。各側面にリスク(危難)とクライシス(危機)が常に目の前にあるのを意識化したい。油断すると、セキュリティーはすぐに元の意味に戻ってしまう。

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