新しい教科書作成 ALや評価をどう反映するか

次期学習指導要領の改訂案が2月14日に示された。今後、パブリックコメントを経て3月下旬には告示の方向だ。また告示とともに学習指導要領の解説書の作業が始まる。解説書の完成ののち、教科書会社は一斉に新しい教科書の作成に入り、文科省の検定を経て教科書が出来上がる。

新学習指導要領の全面実施は、小学校が平成32年度であるため、現行の学習指導要領改訂時の例から推測すると、検定作業が始まるであろう30年9月頃には小学校教科書の原本が完成していることになる。

改訂案では「主体的・対話的で深い学び」が大きな目玉となっている。これが教科書にどれぐらい盛り込まれるかが、作成の際の大きな関心事となる。

また教科等の「目標」をそれぞれ3つの柱(知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等)に統一した関係で、「内容」の項目において教科によっては「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力等」に項目を分けて記述されるなどの工夫が見られる。しかし、学習方法に関する記述は具体的にされておらず、従来の学習指導要領と大差はない。

解説書における記述でもう少し踏み込んだ具体的な学習方法が示されるかが注目されるが、各教科書会社は、現在の教科書で行った言語活動を意識した記述同様、「主体的・対話的で深い学び」を意識した内容を編集方針に盛り込むであろう。子供一人ひとりの実態を軽視するような、教科書に過度に依存した指導は厳に慎んでもらいたいが、経験の浅い教員が多くなってきた現在の学校現場で、こうした教科書の登場は、彼らの大きな助けとなるであろう。

問題は、「主体的・対話的で深い学び」と学習評価との関連を教科書やそのほかの教材にどう反映させるかだ。すでに、改訂案の「第1章 総則」の第3の2「学習評価の充実」において「学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かす」とあり、先の中教審の答申でも、児童生徒の資質・能力を育むパフォーマンス評価などの多面的・多角的な評価や形成的評価、個人内評価の必要性を提言している。

もはや学習評価は学びの結果だけでなく学びの過程でも重要な役割を担ってくる。もちろん、教材および評価規準の作成は指導者たる教員一人ひとりが行うのが前提だが、教員の業務への過重負担問題も見逃せない。そのため、教科書と連動した補助教材の存在が重要な意味を持ってくる。

現在、教科書会社やそれ以外の教材会社で作成する補助教材の大半は、練習問題やワークシート、資料集等に代表される学習指導の支援のための学習教材(修得教材・習熟教材)とテストなど総括的評価を行うための評価教材に分類される。

今後は、「主体的・対話的で深い学び」に代表される多種多様な学習活動の導入に伴い、パフォーマンス評価やポートフォリオ評価などの個人内評価に関する補助教材の開発が進むことになるのではないか。ただし、市販の補助教材の購入は家庭への経済的負担に直結する問題でもある。こうした補助教材の開発は、教材会社だけでなく、国や各地区の教委でも大いに推進してもらいたい。その際、開発した補助教材を活用した教員研修をセットで実施するのは、官製の補助教材の強みでもあろう。

教科書の作成と補助教材の開発は、子供の「主体的・対話的で深い学び」を推進する教師への大きな支援となりうる。官民挙げての作業となることを期待したい。

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