授業改善の取り組み 現状からの脱皮を学校挙げて取り組もう

次期教育課程の編成・実施に向けた取り組みにおいて、資質・能力の三つの柱をバランスよく育成するため何よりも求められるのが教師の授業力更新である。教えるための授業力から、子供の学びを創り出していく授業力が求められ、それを実現するため「授業改善」が新学習指導要領総則に位置付けられたことの認識が必要である。

新学習指導要領では「第一章 総則」の「第3 教育課程の実施と学習評価」において「1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」の項目を新たに規定し、資質・能力の三つの柱が偏りなく実現されるよう「単元や題材などの内容や時間のまとまりを見通しながら、児童(中学校は生徒)の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと」と示している。各学校ではすでに研修課題に取り上げてその理解を図っているであろう。

今年度の学校評価の時期となり、研修により趣旨を理解した上で、「主体的・対話的で深い学び」がこれまでの授業においてどれだけできていたかを評価することが必要である。

その際、確認することが一つある。これまでの授業が指導内容を理解させる教師中心の一斉授業だったのか、子供の主体的な学習が成立・発展する学習指導を意図した授業だったのか、である。

多くの学校・教師は、前者にウエイトを置いた授業となっていたと言っても過言ではない。世界に冠たる日本の教師の一斉授業は、世代を超えて伝えられ繰り返されてきており、教育の伝統文化を変えることは容易ではない。もちろん教える授業も必要ではある。

今日、未来志向の中で知識・技能も含めた資質・能力の三つの柱をバランスよく育成する「主体的・対話的で深い学び」が重視され、実現する方向での授業改善が求められている。

この意義と方向性、その具体的な実践への取り組みの重要性を改めて認識し、学校挙げての取り組みを開始することが今、学校・教師に課せられた課題である。

「主体的・対話的で深い学び」をどう受け止めるかについては、新学習指導要領総則で取り上げられており、昨年12月の中教審答申でも解説されている。『初等教育資料』(著作権所有・文科省・東洋館出版社)の今年5月号に「主体的・対話的で深い学び」の「解説」が掲載された。これらによりどう受け止めればよいかはおおむね理解できたようであるが、どのように授業改善に生かしていくのか、どのように実践につなげるかについては、学校の悩みでもあった。しかし、『初等教育資料』が、今年11月号、12月号において「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」を特集した。

冒頭の「解説」では、初中局教育課程課が「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善について」として、「学習指導要領解説」のうち「総則編」を踏まえて解説している。これを受けて国語以下、各教科等の担当教科調査官等が授業改善の在り方や実践例等を論説している。分かりやすさについては教科等によって若干差があるが、各学校がこれから取り組む際の視点や方向性を示唆するものとなろう。

印刷される「解説書」やこれらをテキストとして、教えから学びへの転換といわれる授業改善に学校挙げて取り組み、2年後の小学校、3年後の中学校の全面実施の際は、どの教室でも「主体的・対話的で深い学び」が実現できていることを期待する。

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