「遠隔教育」の重要性 「多様性」をメリットに拡大を

教育界では現在、平成27年4月から高校の全日制・定時制課程で正規の授業として制度化された「遠隔教育」に熱い視線が注がれている。平成28年度、24校で実施(単位認定)されており、すでに小・中学校など他校種などへの導入・拡大も視野に入っている。

文科省によると、「遠隔教育」とは、「学校から離れた空間へ、インターネット等のメディアを利用して、リアルタイムで授業配信を行うとともに、質疑応答等のやりとりを行うことが可能な同時方向型の授業」としているが、以下の説明が参考になる。

「空間的に離れた状態で行われる教育。印刷教材、テレビジョンやラジオなどの放送系教材、コンピューターやインターネットなどの通信系教材などを用いたものがある。印刷教材による通信教育の歴史は古く、日本では第2次世界大戦前の私立専門学校ですでにみられ、今日でも多くの私立大学の通信教育部はこの形式をとっている。遠隔教育と呼ばれるようになるのは、放送系・通信系メディアを利用した高等教育機関が世界各国で設立されるようになったことと関連が深く、1971年開校のイギリスのオープン・ユニバーシティがそのさきがけである。日本では、1985年にラジオ、テレビジョンを利用する放送大学が開校した」(ブリタニカ国際大百科事典)。

「学校から自宅まで遠距離であり通学が困難な離島・村落で生活している在学生、あるいは職業を持ちながらの学業でといったさまざまな事情に応じ、遠隔地から教育を受けるためのさまざまな便宜の提供を包含していうもの。日本では、もともと通信教育という言い方が通用していたが、郵便による学習の報告だけでなく、テレビ・ラジオを使って授業を受ける日本放送協会学園・放送大学学園やインターネット利用の大学(インターネット大学)などが登場するようになり、呼称が実情にそぐわなくなったので、こういう名称が出てきた。『遠隔教育』という表現は、もともとはオーストラリアで子どもたちは、学校が遠すぎたりする場合の学習支援などで使われていたものである。現在は、遠隔地からでも教育を受けることができるといった点以外に、忙しくても自分の都合に合わせて学ぶことができる、通学せずに済むので時間を有効活用できるなどのメリットを感じ受講するケースも増えてきている」(ウィキペディア・フリー百科事典)。

「遠隔教育」の拡大については現在、文科省の免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議(加治佐哲也座長)でも取り上げられ、その初会合(平成30年1月15日)で、同座長は、「少子化になってくると、小規模校が増えるのは当然で、すでに高校や中学校の一部でも実施されている。そうしたときに、免許外担任の在り方をどうするかは問題になるだろう」との表現で、前向きな姿勢を示した。

この会議の開催中の今年1月に、全国紙が、ある市内の全小・中学校に、インターネットを使ったテレビ会議システムが導入されたことを報道した。「児童生徒の数が少ない小規模校が他校と一緒に行う『遠隔授業』に活用するほか、学校事務の軽減などにも役立てる狙いがある」とのことで、「遠隔教育」の拡大が具体化されつつあることを伺わせた。

「遠隔教育」のメリットは、「多様性教育」の確保であることは、衆目の一致するところであろう。今後はそのデメリットを克服し、この教育を一歩前に進めていくことに努力することではないか。