若者の読書離れを防ぐ 国、地域、学校が一体となった取り組みで

全国大学生活協同組合連合会は2月26日、「第53回学生生活実態調査」の概要報告を行った。このうち、読書時間について、1日の平均が23・6分と3年連続の減少、さらに1日当たり「0分」の学生の割合が53・1%と前年度比4・0ポイント、5年間で18・6ポイントの増加となった。

文科省が民間の研究所に委託し行っている調査(子供の読書活動の推進等に関する調査研究)における小学生から高校生までの読書時間との関連を見ると、年齢層が高くなるほど読書時間が減少し、ここ数年間では「0分」と全く読書しない者の割合が高くなる傾向が続いていることが分かる。新学習指導要領が「思考力・判断力・表現力」の育成を掲げている中で、これら能力の育成に大きな影響を与える読書活動のこうした実態に危機感を感じざるを得ない。

文科省の委託調査(2017年3月)では、読書時間減少の原因を「普段から本を読まないから」(小39・1%、中44・6%、高32・8%)といった読書習慣の未定着にあるとするほか、「他の活動等で時間がなかったから」(小29・8%、中54・0%、高64・5%)と成長に伴う趣味の対象範囲の広がりを挙げている。一方、連合会の調査では読書時間「0分」の学生を「バイト就労」と「非就労」に分け分析し、「バイト就労」の学生(54・5%)が「非就労」の学生(49・4%)を5・1ポイント上回っていることを指摘している。

小・中・高校生にしても、大学生にしても、読書時間「0分」の割合が増加する傾向は看過できない。国は、2001年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」を制定、翌02年には「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定、今年度第3次基本計画が実施されている。これらの計画の中にも子供の不読率の減少対策はとられており、今年度末までの到達目標を小学生3%、中学生12%、高校生40%と定めた。実際は小5・6%、中15・0%、高50・4%と厳しい状況だ。

国は、新たに第4次基本計画の策定作業を進めているが、強調されているのが不読率の改善である。特に、急激に読まなくなる高校生の年代をターゲットにし、学校をはじめ地域社会からのアプローチを行おうとしている。地域や学校にある図書館・図書室において幼児・児童や保護者を対象とした読み聞かせ会、さらにブックトークやペア学習、ビブリオバトル(書評合戦)、アニマシオン等の活動を提言している。とりわけ注目されるのはビブリオバトルである。本紙でも何度か取り上げており、小・中学校の事例も多い。

効果としては、ゲーム感覚で楽しみながら本への関心を持つことができ、本を選択する能力や本を紹介する表現力を身に付け、さまざまな本との出会いの機会ができる。高校の場合、学校に司書を招き教員研修や生徒への直接な指導を通じ、生徒にそのノウハウを伝えたのち、地域の図書館で小・中学生相手にコーディネーター役で活躍してもらう取り組みが考えられる。これらの取り組みで学校の教育活動に地域性や社会貢献性が加わり、まさに社会に開かれた教育課程の展開が可能となる。行政が司書を各学校に配置すればさらにその効果は大きくなるであろう。

読書は、言葉を学び感性を磨き表現力を高め、想像力を豊かにするとともに、人生をより深く生きていく力を身に付けていく上で欠かせない。国、地域、学校が一体となって若者の読書離れを阻止し、夢を持った世代の育成を積極的に図っていくべきである。