ユニセフの戦略計画 日本は「子供の保護」を参考に

全ての子供の権利、特に最も不利な立場にある子供たちの権利を実現することを目指し、世界190の国と地域で活動をしているユニセフ(国連児童基金)は2月20日、今年が初年度となる「ユニセフ戦略計画2018―2021年」を発表した。

この戦略計画は、4年ごとに策定されるもので、今回は、2030年までの持続可能な開発目標の達成を目指すとともに、全ての子供が公平な機会を得られる未来の実現に向けた道筋となるものだ。

具体的には、5つの目標分野(生存と成長、教育、子供の保護、水と衛生、公平な機会)と分野横断的な優先課題(ジェンダーの平等、人道支援)において、その現状と21年までに達成すべき成果、その達成に必要な手段が記されている。

これらの目標分野、優先課題を基に、各国にあるユニセフ現地事務所は、国内のニーズを考慮しつつ、当該国の政府と協議・合意の上、子供たちとその家族を対象にした支援プログラムを作成する。その上で、日本ユニセフ協会を含む、世界34のユニセフ協会も、同戦略計画で示されている目標の達成に向けて、広報活動や募金活動を実施するという仕組みだ。

このうち、「教育」と「子供の保護」に関する戦略計画をみると――。

「教育」では、「すべての子供が教育を受けられる」ことを目標に掲げている。2015年時点で、小学生の6100万人、中学生の6200万人が学校に通えていない。その原因は、地理的要因、経済状況、ジェンダー、障害、紛争や災害による影響で、適切な教育を受ける権利が奪われている。

こうした現状を踏まえ、ユニセフでは、支援プログラムを通じて、21年に「学校に通っていなかったが、ユニセフの支援によって、幼児教育、初等教育、あるいは中等教育を新たに受けられるようになる子供の数を6千万人(16年は1千万人)にする」目標達成を目指す。

「子供の保護」では、「すべての子供が暴力や搾取から守られる」ことを目標に掲げている。16年の時点で、最大10億人の子供たちが、性的暴行を含む、何らかの暴力や有害な慣習を経験。女の子や女性については、約7億5千万人が児童婚の慣習を強いられている。また、社会規範、文化的慣習、地域内の紛争や避難によって、各国で暮らす子供たちの安全や健康的な暮らしが脅かされている。

こうした現状を踏まえ、ユニセフでは、支援プログラムを通じて、21年に「移民や難民、国内避難民の子供の数を510万人(16年は180万人)にする」目標達成を目指す。

これら2つの支援分野の紹介にとどめたが、日本の喫緊の課題として挙げたいのは、「子供の保護」ではないか。3月9日付の新聞各紙には、「児童虐待 初の6万人超」などと衝撃的な見出しを打った警察庁発の記事が載っていた。

記事によると、「虐待された疑いがあるとして、昨年1年間に全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子供は、前年より1万1204人(20・7%)多い6万5431人だった。統計を取り始めた2004年の962人から13年連続の増加で、初めて6万人を突破。増加分の多くは、暴言などの心理的虐待だった」(産経新聞)。

日本の子供たちを巡るこの事態は、まさに「子供の権利」を踏みにじる行為である。最優先課題として、適切な「保護」に対応する必要がある。

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