学習評価の改善に向けて 実践的な諸課題の解決を

学習指導要領の告示から全面実施に至る期間に、学習評価および指導要録の改善に関する通知が発出される。学習評価は、2017年7月に中教審教育課程部会に学習評価に関するワーキンググループが設置され、検討が開始された。論点例として、「社会の中で生きて働く知識」といった「知識の概念的理解」の評価の在り方、「思考・判断・表現」や「主体的に学習に取り組む態度」の評価方法、「多面的・多角的な学習評価」の推進などが挙げられた。

16年12月の中教審答申では、新学習指導要領に伴う評価の改善の基本的な方向が示されていた。一つは目標に準拠した評価をさらに進めること、二つは、観点別評価については、評価の観点を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三観点とすること、三つは、観点については「単元や題材を通じたまとまりの中で」設定していくことが明確にされた。ワーキンググループにおいて検討する際には、次に挙げる課題の検討を期待したい。

第一は、目標準拠評価の妥当性、信頼性を一層高めるための方途について。特に「関心・意欲・態度」の評価については、その評価方法も含めて課題が指摘されてきた。今回は、「主体的に学習に取り組む態度」の評価について、どのような規準を設定し、どのような方法を用いるのかが問われる。この観点の評価について、例えばパフォーマンス評価が例示される場合、具体的な在り方と共に、各学校で比較的容易に実施できるものにすることが必要である。

第二は、観点別評価と評定の関係について。これまで前者は学習状況を分析的に把握するもの、後者は学習状況を総括的に把握する評価として位置付けられ、前者が後者の要素とされてきた。評定は観点別評価の総括によって決定されてきた。中学校の場合、観点別評価はA、B、Cとして、評定は5、4、3、2、1として示され、Aは5と4に対応することから、総括する際にさまざまな課題が生じることとなった。実際的な課題を踏まえた検討を求めたい。

第三は、カリキュラム・マネジメントの実施が明確になり、学習評価を教育課程の評価にどのように結び付けていくか、を踏まえた確認が求められる。各教科等の単元等の評価を指導計画の改善に結び付け、かつ教育課程の評価と改善に具体化するか、これらの道筋と体制の在り方が問われる。

第四は、「主体的・対話的で深い学び」を目指す授業の実施に伴い、評価場面や評価方法の在り方が課題になる。各教科等の授業展開で「見方・考え方」を「働かせる」ことが求められるが、これを学習評価においてどのように踏まえるか検討しておきたい。

第五として、小中一貫や中高一貫の推進の中で、学校段階間の接続を踏まえた学習評価の仕組みの検討である。小学校高学年では、評定を中学校と同様5段階による表示を許容することや、高校において中学校と同様の観点別評価を確実に実施するような手立てを設定することが考えられる。

最後に、評価規準の生かし方の検討である。評価規準は「おおむね満足できる状況」を踏まえて設定するとされてきたが、実際に評価する際の判断基準との関係についてはまだまだ明確にされていない。目標準拠評価の妥当性、信頼性の観点から評価規準の実質的な活用について審議を深めてほしい。

なお、パフォーマンス評価、ルーブリックなどの用語を使用する場合、教育現場で共通に理解可能となるような手立ても含めた対応を求めたい。