スタートカリキュラム 子供の安心と学びを育もう

4月が間もなく終わりゴールデンウィークに入る。小学校の新1年生は、学校や先生に慣れ、友達がたくさんできて楽しく登校しているだろうか。今回の学習指導要領の改訂で、小学校のスタートカリキュラムの充実や工夫が一層求められている。スタートカリキュラムとは、小学校入学当初、幼児期の生活に近い活動と児童期の学び方を織り交ぜながら、幼児期の豊かな学びと育ちを踏まえ、児童が主体的に自己を発揮できるようにする場面を意図的に作る教育課程だ。幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続を目指すものである。

かつて行われていた小学校入学期のみの適応指導ではない。幼児期における遊びを通した総合的な学びから、各教科等における学習に円滑に移行し、児童が主体的に自己を発揮しながら、安心してより自覚的な学びに向かえるようにする教育の在り方である。具体的には、生活科を中心とした合科的・関連的な指導を工夫する。「学校探検」などで、自ら見付けたことや不思議に感じたことなどを絵に表したり友達と伝え合ったりするなど、図画工作や国語科と合科的・関連的に指導を行い、子供たちの興味・関心や学習意欲、主体的な学びがつながり発展するようにする。児童の実態や意識の流れに配慮した時間配分や、弾力的な時間割編成などを行う。児童が安心して学べる学習環境の整備を行う。グループ型の友達と関わりやすい学習形態を取り入れる、教室の一角に触れ合いコーナーを設置する、多様な遊び道具を用意するなど、静的な場から活動的な場、自分たちで学びを作る場としての教室にチェンジする。学校全体の指導体制として全教職員が関わる。

スタートカリキュラムを取り入れて実践している学校・教師からは、子供たちが生き生きとし友達との関わりが増え、名前もどんどん覚える、積極的に校内を探検している、上級生とよく関わっている、見たこと・聞いたことや気付いたこと、驚いたことをどんどん言ってくる、といった様子が報告されている。生活面でも、登校後の学校生活の支度なども自分のペースで馴染んでいこうとしているとの声が聞かれる。

子供たちが学校に安心感を持ち、友達との関わりが広がる姿、遊びや学習活動に積極的に向かう姿は、保護者会等でぜひ保護者に伝えるようにしたい。国語や算数の授業についていけるか、いじめられていないか、先生を怖がっていないか、トイレに行けるかなど、多くの保護者が心配している。スタートカリキュラムにより子供たちが安心して学校生活に馴染んでいることを、具体的な姿で伝えてほしい。

スタートカリキュラムは新1年生だけのものではない。2年生進級の際にクラス替えした学級でも、学年のスタートには子供たちの関わり合いや仲間作りを大切にする活動を取り入れたい。2学期等のスタートでも工夫するという声もある。3年生では、社会科、理科、総合的な学習の時間、外国語活動やクラブ活動などが新しく始まるので、学年のスタートを工夫し、これらの学びに興味・関心や学習意欲が高まるような最初の1週間にすること。5年生では、家庭科や教科外国語、全校に視野を広げる委員会活動、6年生では、学校の最高学年としての自覚と責任感を養うスタート。こうした取り組みを進めている学校もある。

スタートカリキュラムは、教えの学校から子供の学びを育む学校としてのスタートの意義、カリキュラム・マネジメントのスタートの意義を有している。よきスタートを切ってもらいたい。