教頭・副校長への期待 働き方改革のモデルとなろう

学校での教頭・副校長(以下「教頭等」)は最も多忙な人々であり、学校での長時間労働が問題となっている。その教頭等が、ぜひ、働き方改革のモデルとなってほしい。また、モデルとなるようにしなくてはならない。

この春に新任の教頭となった人々からの便りでは、「今、本当にあたふたとしています」「何から手をつければよいのか」「目が回るようです」「たった2週間で参っています」などの声が届いた。目に浮かぶようだ。つい先日まで学級担任や教科指導、自分の担当職務中心に業務を推進してきた人々である。校長の意を受けて、学校経営ビジョンや方針に基づき全体を意図的、組織的にリードしていく新職務を頭では分かっていても、始めの一歩からその通りにはいかないだろう。予定されていたことに緊張しながら取り組んだり、目の前の情報を処理したりするので手いっぱいであろう。ゴールデンウイークも学校に出ていたのであろうか。

教員の時分、教頭等が業務に励む姿は職員室でよく目にしているし、親しく話もする。いろいろと相談にも乗ってくれる。時には文句を言ったりもするだろう。しかし、教員が教室で授業や生活指導をしている間、教頭等の業務姿は目にしていない。

また、朝早くから来て門扉の施錠を解いたり、校内の見回りをしたりする姿、地域の人や保護者、教育委員会の関係各課の担当者やその他来客の応対、外部からの電話に対応する姿をあまり目撃することはない。病気休暇で休む教員に代わって授業をすることもある。産休や育休教員の代替教員を探し出すのに昼夜を問わず電話をかけているといった声もよく聞く。自分がなってみると、これら諸事がいっぺんに押し寄せ、その対応に追われることも多い。おそらく「こんなに大変だったのか」が正直な感想だろう。

新人の教頭等も時がたつとほとんどの人々がその困難を乗り越え、リーダーとして活躍している。教頭等は学校のナンバー2となり、校長を補佐する立場として、頼られる存在になる。その姿はひらたく言えば、「扇の要」であり、「職員室の担任」「学校の窓口」「よろず相談室」などとも言われる。しかしながら、これらの役割が従来よりも質的・量的に変化し、教頭等の負担が増えていることは間違いない。働き方改革を推進する中で、まず、教頭等の働き方を改革のモデルとする必要がある。

教頭等は、2月9日に文部科学省が通知した「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について」を十分に理解し、この中で学校、そして自らにできることは何かを明確にする必要がある。いずれ(すでに)教委から対策や研修が通知されるであろうが、受け身であってはならない。自らが改革のモデルとなるため、何を、どのようにすればよいかを熟慮し、自らの業務を洗い出し、可視化し、見直すことから始めよう。そして、主幹や主任を巻き込んで、協働して取り組むようにリードすることである。

これらを確実に進めるには、同通知が求めている校長の責務や、教育委員会に求めている方策などを具体化し、教頭等の主体的な取り組みを支える必要がある。改訂教育課程が実施されるこの2、3年は、学校の改革期である。これと連動させて働き方改革を進め、教頭等がそのモデルとなるよう教育界挙げて取り組んでほしい。教頭等がよい働き方を身をもって示すことが、よい学校づくりの基本ではないか。