保護者の学校に対する期待 オール省庁で教育施策を考える時代へ

ベネッセ教育総合研究所などによる共同調査「学校教育に対する保護者の意識調査2018」の結果が発表された。この調査は昨年、全国の公立の小学校2年生・5年生、中学校2年生の保護者7400人を対象に行った。04年、08年、13年にも同様の調査を実施、経年変化をみることが可能だ。調査項目は▽学校に対する満足度▽学校に望むこと・学校へのかかわり▽部活動の実態と保護者の意見(中2の保護者のみ)▽教育改革に対する意見▽教育に対する意識▽子供の将来に対する考え▽教育費――の7項目にわたっている。

学校に対する満足度を見ると、83.8%の保護者が満足感を持っており、14年前の04年と比較すると10ポイント以上上昇している。満足度の高い学校(中学校)の取り組みは、「学芸会や音楽会などの文化活動」(84.7%)、「運動会などのスポーツ活動」(80.2%)、「部活動」(71.6%)、「道徳や思いやりの心を教えること」(70.7%)などだ。04年と比べ上昇幅が大きい項目は、「先生たちの教育熱心さ」(16.5ポイント増)、「道徳や思いやりの心を教えること」(15.8ポイント増)、「社会のマナーやルールを教えること」(15.6ポイント増)が上位を占めた。小学校も同様の傾向であるが、満足度の高い学校の取り組みでは、中学校で挙がったものの他に「教科の学習指導」(86.1%)、「学習の評価」(80.0%)がある。

これらは、保護者が直接参観できる土・日曜日の学校行事や公開授業をはじめ、学校が教育方針や子供の活動の様子などの情報を、学校だよりやホームページのツールを用いて保護者に伝える努力をした結果ではないだろうか。子供の良さを評価する、ここ数年の傾向が保護者に好感をもって受け入れられた結果ではないだろうか。新学習指導要領が掲げる「社会に開かれた教育課程」の編成・実施においても、こうした努力は継続・深化させるべきだ。同調査では今後の教育改革に対する賛否も保護者に問うている。賛成が多い項目には「プログラミング教育などのコンピューター学習」(82.6%)、「知識以外の多様な力(思考力・判断力・表現力など)を重視する」(82.3%)、「英語を使う活動を小学校3年生から必修にする」(78.8%)があった。新学習指導要領が掲げる教育改革を支持する保護者が非常に多いことも学校は意識すべきであろう。

もう一つ今回の調査で注目されるのは、保護者の教育格差に対する意識である。所得の多い家庭の子供の方がよりよい教育を受けられる傾向を許容する(「当然だ」「やむをえない」)保護者の意見が62.3%と、08年調査に比べ18.4ポイントも増加している。このうち、経済状況にゆとりのない保護者層も半数以上(55.7%)が許容する傾向にある。

一方、公立高校の授業料を「税金で負担すべきだ」と考える保護者が78.8%と相変わらず高い比率であると同時に、私立高校の授業料を税金で負担すべきだと考える保護者が13年調査時(33.2%)と比べ42.6%と9.4ポイントも増加している。教育費が家庭にとって大きな負担であり、国の教育関係予算が他の先進国の中でも低い割合であることに対する保護者の不満が、こうした数値に表れているようだ。
この結果は、学校や家庭に多くの負担を強いるのではなく、教育が国づくりの根幹であり、国もオール省庁で予算を含めた教育施策を考える時代に来ているという国民の声を、代弁しているのではないだろうか。

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