小・中の「教員不足問題」 厳しさ指摘するマスコミ論調

「全国の公立小中学校で定数に対する教員の不足が、今年度当初に少なくとも357人に上ったことが、都道府県と政令市の67教育委員会への取材で分かった。団塊世代が大量退職した後も教員採用は抑制気味で、OBを含む臨時講師や非常勤講師など非正規教員の比重が高まっているが、その臨時講師が減っていることが影響しているとみられる」

右記のように、毎日新聞が昨年11月28日付の朝刊で「小中学校の教員不足問題」を報じ、大きな反響を呼んだ。

また、5月11日の朝日新聞では、「島根県松江市立第三中学校(東朝日町)で、4月から約1カ月間、教員不足のために3年生が英語の授業を受けられない状態だったことが分かった。学校では今月から同校にいる他の英語教員が授業を掛け持ちで対応しているが、人事を担当する県教育委員会は、新たな教員を採用できるのは今月中旬としている」と報じている。

さらに、6月1日付の日本経済新聞では、「広島県呉市の市立吉浦中が必要な教員を確保できず、2年生の理科と1年生の国語で4月分の授業を実施できていなかったことが5月14日、市教育委員会への取材で分かった。市教委によると、理科と国語の教員は1人ずついるが、2年生の理科と1年生の国語の授業は非常勤講師が受け持つ計画だった。しかし3月末に、勤務していた講師2人が自己都合で契約を終え、4月までに新たな講師を見つけられなかった」と報じた。いずれの記事も、全国紙で報じられたものであり、「教員不足問題」がいかに深刻であるかが垣間見える。問題は、その実態と対応策であるが、次のような記事は参考になる。

▽「公立学校の教員の賃金は、3分の1を国が負担することになっているが、正規の教員を増やせば当然ながら国の支出も増える。これに対しては財務省が頑として抵抗していることが、正規の教員を増やすには高い壁となっている。ただし、1人分の正規教員の賃金で、非正規を2人雇おうが3人雇おうが自治体の裁量に任されている。学校現場の教員数を増やしたい自治体としては、正規を増やすよりも、その分で非正規を増やそうとする。非正規なら自治体独自でも雇えるのだが、安上がりに済ませようと考えているために十分な予算措置がとられない。こうして、非正規教員の低賃金が固定化してしまっている。ブラック化が進んでいるといわれる教員という職業、しかも低賃金の非正規への応募者が集まらないのは、当然すぎるくらい当然」(ベストタイムズ5月25日、前屋毅氏)

▽「近年増えているのが、教員免許を持ち、担任や部活動の顧問をするなど正規職員とまったく同じ仕事をしながらも、身分は臨時に採用された非正規の『常勤講師』の存在だ。臨時教師といえば、かつては産休など長期休暇をとる教員の〝穴埋め〟的なイメージが強かったが、現在は1学年のうち複数のクラス担任が〝フルタイム〟で働く常勤講師というケースも珍しくない。(中略)なぜ非正規の教師がここまで増えたのか―。ひと言でいえば『地方自治体の人件費削減』に拠るところが大きい。教頭が授業を受け持ったり、一人の教員が授業の掛け持ちをする例も珍しくなくし、過労死ラインぎりぎりの残業になる。モンスターペアレントといった問題もある」(NEWSポストセブン4月22日)

教育関係者はこうした声を誠実にとらえ、「教員不足」の解消に全力を挙げて取り組んでほしい。