2018年度全国学力・学習状況調査結果 学習指導改善と新教育課程編成に生かす

4月17日に実施された「2018年度全国学力・学習状況調査」の結果が国立教育政策研究所から公表された(本紙8月6日付既報)。今年度の変更点は3年ぶりの理科の実施と調査結果公表の早期化である。例年よりも1カ月早く公表された調査結果を生かして夏季休業終了後の学習指導、特に主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に取り組み、移行措置、ひいては新教育課程編成につなげられるよう期待したい。
結果報告のうち、例年課題となっているB問題「主として『活用』に関する問題」の趣旨をいくつか紹介する(理科はA・Bの区分なし)。A問題「主として『知識』に関する問題」の正答率がおおむね高いのに対して、B問題はなかなか向上しない状況が続いている。今回の結果を見る限り例年と変わらないようだが、各学校ではどうであろうか。

〈小学校国語〉▽話し手の意図を捉えながら聞き、自分の意見と比べるなどして考えをまとめる[大問1(3)]▽目的に応じて、複数の本や文章などを選んで読む[大問3(1)]

〈小学校算数〉▽示された考えを解釈し、条件を変更した場合について考察した数量の関係を、表現方法を適用して記述[大問4(2)]▽折り紙の枚数が100枚あれば足りる理由を、示された数量を関連づけ根拠を明確にして記述[大問5(1)]

〈中学国語〉▽目的に応じて文章を読み、内容を整理して書く[大問1(3)]

〈中学校数学〉▽事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明する[大問3(3)]▽数学的な結果を事象に即して解釈することを通して、成り立つ事柄を判断し、その理由を数学的な表現を用いて説明する[大問5(2)]

などである。

今回みられた課題に関して、同報告では「指導改善のポイント」が示されている。例えば小学校国語の[大問1(3)]には「相手の意図を捉えながら聞くためには、自分に伝えたいことは何か、共に考えたいことは何かなど、話の内容を十分に聞き取ることが大切」、小学校算数の[大問4(2)]は「日常生活の問題の解決のために、複数の情報を解釈し関連付けて論理的に考察し、判断の理由について根拠を明確にして説明することができるようにする」など、具体的に改善点を示している。各学校においては、これらのポイントを参考に、自校の実態を踏まえた具体的な指導改善策を策定し、2学期からの授業改善に活用することが望ましい。

また「質問紙調査」の報告では、「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する取組状況」「カリキュラム・マネジメントなど、学校運営に関する取組状況」「規範意識、自己有用感等」「地域や社会に関わる学習活動等の取組」「家庭や地域との連携」などの調査結果が経年データで示されている。よい結果の出ている取り組みはぜひ生かしたい。

調査結果から学校現場における教育指導の効果や成果を把握し、その後の改善につなげていくサイクルが定着しつつあるのではないか。調査結果の活用に当たっては、単に点数を上げるための取り組みではなく、新学習指導要領の趣旨を体現するものとなるようにしたい。