魅力ある学校づくり 「明日も行きたい」と思える場所に

8月末から9月初めにかけて、マスコミが子供たちの自死や不登校の対策、取り組みに関する報道を続けていた。自死も不登校も、この時期に最も多く発生しているからである。

当然、学校や教育委員会も手をこまねいているわけではなく、保護者と協力してさまざまな取り組みを進めている。だが、忘れてはならないのは、「魅力ある学校づくり」が基本・基盤にあるということだ。

「学校が大好きです。明日も行きたい。休みの日も行きたい」という小学校2年生の作文を目にしたことがある。きっと学校生活が楽しくて仕方がないのであろう。また最近、「漢字をいっぱいかけるようになりたい」と2学期の目標を掲げた小学校1年生の記事を読んだ。国語や算数の勉強を頑張る、理科の実験が好き、社会科の調べ学習にもっと挑戦したい。中学生は進路や将来を見据え、具体的な目標や、その達成のために取り組むべき課題を設定しているかもしれない。秋には遠足や修学旅行、合唱コンクール、音楽会などが予定され、家庭や地域が楽しみにしている行事もある。本来、新学期に当たり子供たちが思いを巡らせるべきは、こうした新しい目標やさまざまな行事への期待であるはずだ。

学校や教師はこれに応えているだろうか。新教育課程に向けた準備や取り組み、働き方改革を進める中での業務の効率化など、現状は山積する課題に追われる日々を送っているかもしれない。ただ、目の前の状況にとらわれ、子供たちが望む「魅力ある楽しい学校」から離れていないか気に掛かる。

2016年9月14日に文部科学省が出した通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」は学校に「不登校が生じないような学校づくり」を求めている。その第一に挙げているのが「魅力あるよりよい学校づくり」である。「児童生徒が不登校になってからの事後的な取り組みだけでなく、児童生徒が不登校にならない、魅力ある学校づくり」が重要だとしている。不登校や自死を防ぐ対策として、教師が不適切な言動や指導を「しない」、校内でのいじめや暴力行為を「許さない」ことに目を向けがちだが、児童生徒を孤立させず、彼らが自分の居場所だと感じられるような学級、学校にすることが重要だ。

その実現のために、教師には児童生徒が「自分は見守られている」と感じられるような、温かいまなざしを一人一人に向けてほしい。教室には子供たちの目標を掲示していることが多い。日々の取り組みの様子から、達成している子には「頑張ったね」、できていない子には「もう少しここをこうしてみよう」と声を掛けてみてほしい。当たり前だ、すでにやっていると思う教師もあるだろうが、当たり前をきちんと積み重ねていくことが、魅力ある学校づくりの第一歩だと考える。

不登校の問題は学校に行きたくない、行けない子供たちにあるのではなく、その理由にある。学校や学級を、子供たちが「明日もいきたい」と思える場にすることが基盤であり、最大の解決策ではないだろうか。教師に見守られているという大きな安心感の中で、いきいきとそれぞれの目標に向かって学びを深め、クラスメートや教師、地域の人々と一緒にさまざまな行事を楽しむ。全ての子供たちにとっての学校が、そうした存在となるよう切に願う。

新学期からの学校生活に絶望し、ふさぎ込む子供たちの心中を思うと胸が詰まる。子供たちが再開を待ちわびるような、学校・学級づくりを目指してもらいたい。