教育課程のチェック 次年度に向け結果の共有も

2学期を迎え、各学校では授業のほか、遠足や移動教室、体育祭、文化祭などさまざまな教育活動が本格化している。同時に、管理職にとっては来年度の教育課程の編成に向け準備が始まる時期だ。いわゆるPDCAサイクルの「C」(Check=点検)段階である。

通常、人事考課制度の下において管理職は、授業観察や教員の自己分析、面談を通じて教育課程の実施状況や学校運営における教員の活躍度を測り、それに応じた指導・助言をする。東京都においてはこうした機会を年2回以上設定し、教員の育成に役立てたり、業績評価に反映したりする。中間期に当たるこの時期の点検活動は、今年度の教育課程に関する内容が主であるが、来年度の教育課程の在り方を見据えたものであることも、管理職は十分認識する必要がある。

さらに今年度は、小・中学校において移行期間1年目ということもあり、新学習指導要領の内容に対する学校運営の在り方を点検する作業が加わる。

学習指導に関していえば、単元など数コマ程度の授業のまとまりの中で、「習得・活用・探究のバランスを工夫した『主体的・対話的で深い学び』を取り入れた授業改善が図られているか」という視点で点検したい。

また、学習の基盤となる資質・能力(言語能力・情報活用能力、問題発見・解決能力など)や現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成に向け設定した「教科等横断的な学習が教科全体で実施され成果を上げているか」といった視点も重要だ。その際、教育内容の適否や時間配分の的確性も点検しておくとよいだろう。

近隣の学校を含む地域社会との連携・協力といった「社会に開かれた教育課程」の視点も大切である。学校外の人的・物的資源の質・量、実施時期・期間、事前交渉から実施に至るまでの運営内容・方法などの適否・的確性などである。学校情報の提供・開示のほか、それらが家庭や地域社会と共有化されているかのチェックも外せない。

この他、教科化された「特別の教科 道徳」の指導や評価の方法、小学校では英語教育・プログラミング教育などの新たな教育活動の進捗状況、実施上の課題も点検項目として挙げられる。

点検の際には、教育活動ごとにアンケートなどで集約・分析し数値化した客観的なデータを基に見極め、その結果によって修正・改善を図る。中間期における点検であることから、修正・改善面に重点を置くよう留意する必要がある。点検結果は、各学校の教育課程の編成・実施への活用はもちろん、移行期間という点を考慮すれば、所管する教育委員会が積極的に集約・分析し、次年度以降の施策や予算化に役立てるべきであろう。

新学習指導要領は、現行の要領の理念や趣旨を多く引き継ぐものではあるが、「社会に開かれた教育課程」で象徴されるように、子供たちと社会との結び付きをこれまで以上に強く意識した面もある。学校は家庭や社会と連携・協働し、子供たちが社会や世界に向き合い関わり合い、自らの人生を切り開いていく資質・能力を育てていくことが求められている。

将来の社会を担う人材を今の大人たちが役割分担して育成する意識を共有化するために、管理職は中間期における点検を的確に実施し、その結果を外部にも広く発信するべきである。

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