高校における学習評価 遅れを早急に立て直そう

 9月20日に開催された中教審分科会の「児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ」の会合において、新学習指導要領に対応した評価の在り方に関する論点が整理された。児童生徒との対話を取り入れた双方向的な評価の方法や形成的評価の実現など、これまでの教師からの一方向的な評価だけでなく、多様な評価を重視する考えが前面に打ち出されている。

 2016年12月の中教審答申などにおいても指摘されているように、今後の学習評価は結果のみならず、学習過程の評価や、教員の指導に生かすための評価も重要である。現行の学習指導要領(生きる力)の下でも、小・中学校の総合的な学習の時間をはじめ各教科の指導では形成的評価やポートフォリオを活用した個人内評価が盛んに行われ、成果も数多く紹介されている。しかし、小・中学校に比べ高校においては十分でないようだ。

 先述の中教審答申によると、指導要録に観点別の学習状況を記録している学科は普通科で1.3%、専門学科で0.8%、総合学科で2.1%といった状況である。原因として同答申は、「評価技術の問題」「教員の意識や学校の体制の問題」「一人の教員が指導する生徒数が多いこと」などを挙げているが、根底には総合的な学習の時間など探究の過程を重視した学習と、その学びの過程を含めた評価が十分行われていない実態がある。

 今回改訂された高校学習指導要領は、そうした実態を根本から改善する目的があったことが垣間見える。同答申でも「観点別学習状況の評価については、小・中学校と高等学校とでは取組に差があり、高等学校では、知識量のみを問うペーパーテストの結果や、特定の活動の結果などのみに偏重した評価が行われているのではないかとの懸念も示されている」「義務教育までにバランス良く培われた資質・能力を、高等学校教育を通じて更に発展・向上させることができるよう、高等学校教育においても、指導要録の様式の改善などを通じて評価の観点を明確にし、観点別学習状況の評価を更に普及させていく必要がある」と指摘している。さらに国は、高校側にとって知識伝達を中心とした学習指導のよりどころであった大学入試を現在のセンター試験方式から大学入学共通テストに代え、多様な指導や評価を促進させようとしている。

 では、こうした一連の改革で高校における学習指導や評価の在り方は変わるのだろうか。高校同様、教科担任制をとり入試対策を進路指導の中心に置いていたかつての中学校が一つの指針となる。

 中学校では1998年12月に告示された学習指導要領から、評定をそれまでの相対評価から絶対評価に転換したことで観点別評価が重視されるようになった。その結果、学習指導の在り方そのものも4観点(国語は5観点)を意識した、バランスの取れたものに変化していった。そして、08年に告示された現行の学習指導要領が言語活動を重視したことによって各学校における授業改善がさらに図られた。高校入試を改革して指導や評価を変えたのでは決してない。

 社会が成熟社会に移行していく中で、子供たちに生きる力を社会に出ていくまでに身に付けさせることは、全ての学校教育機関に課せられた義務である。高校における授業と評価の改善がこれからのわが国の教育の在り方の鍵を握っていると言っても過言ではない。まさに「待ったなし」である。高校教育関係者の奮起を期待したい。