文化部活動の現状と課題 学校は「お手上げ」、ガイドラインの行方は

スポーツ庁が公表した2017年度「運動部活動等に関する実態調査」は文化部活動も対象としており、調査結果によると土日も活動する文化部が中高共に一定数存在していることが分かった。詳細な活動実態を把握するため、文化庁は文化部活動が盛んな中学・高校81校を抽出し、今年8月にアンケート調査を実施した。

結果、「マーチング・バトン」「郷土芸能」「吹奏楽」「日本音楽(箏曲)」「器楽・管弦楽」部の半数以上が平日平均「週5日」活動すると回答した。吹奏楽部やマーチング・バトン部は土曜日に5時間以上活動する割合が高く、長期休業期間中の活動時間も同様の傾向にあった。母数が少ないためこの数字をもって全国の傾向とみることは難しいが、習得に時間がかかるものや、日々の練習が技量を左右する部の活動日数・時間が多くなるということは言えるだろう。大会やコンテストへの出場を目指すのであればなおさらだ。

活動時間の他にも、顧問の指導技術力不足の課題がある。運動部以上に経験者が少なく、前述のアンケート調査でも約半数の教員が指導力強化の研修会が「必要」だと回答している。一方、研修会を実施しても6割以上の教員は「多忙のために参加できない」、3割は「希望する研修会が開催されていない」と回答し、指導力向上を図ろうとしてもうまくかみ合っていない現状がみえる。自由回答の中には、「顧問になることを強いられ、その上研修に出てまで努力せねばならない雰囲気や、そういった社会の認識に賛成できない」との批判もあった。

教員の負担を考えれば部活動指導員や外部指導者の確保を検討すべきである。気になるのはこうした専門的技能を持った人材確保に向け「取り組んでいること」「取り組むべき課題」が「特になし」と回答した割合の高さ(前者は59.9%、後者は44.3%)だ。自由回答の「予算の壁がある」「高名な指導者は自分のやり方に固執する傾向にあり、顧問の負担増につながる」「責任の所在はどうなるのか」といった数々の問題提起を見れば、この「特になし」の多さは「問題なし」という意味ではなく、学校が有効策を講じられない「お手上げ状態」にあると判断すべきだろう。

現在、文化庁は文化部活動のガイドライン策定に向け検討を進めている。分野が多岐にわたり、前掲のような課題を持つ文化部活動の特質を踏まえ、運動部のガイドラインとは異なった内容になる見通しではあるが、運動部同様「持続可能性」が大きなポイントとなろう。例えば、広く吹奏楽部に浸透している「練習を1日休むと取り戻すのに3日かかる」という言葉に従い、休むわけにはいかないと考える教員、生徒は少なくない。しかし過度な練習や半ば強制的な大会参加は、生徒がその後の人生において音楽を楽しもう、携わろうとする意欲をそぐ結果につながらないだろうか。冒頭のスポーツ庁調査の結果でも運動部、文化部共に、部活動の活動時間や日数の多さ、学業との両立の不安を悩みとして挙げる中高生が多かった。多くの時間を犠牲にして部活動に打ち込んだ結果、いわゆる「燃え尽き症候群」となり、卒業後は体験したスポーツや文化活動を二度としないと考える子供が多く存在することも事実だ。

高度な技術や経験を必要とする、限られた人材にしか教えられない分野を、学校の部活動として存続させることの是非を含め、さらに幅広い視野からの論議が必要であろう。