「〇〇教育」の見直し カリキュラム・マネジメントの視点で

 小・中各学校では新学習指導要領の全面実施に向けた移行措置を進めながら、学校評価の総括的な実施を進めている。その中核となる教育課程評価を行う際に、いわゆる「〇〇教育」のこれまでの取り組みの評価と改善を確実に行うよう求めたい。

 道徳教育、体育・健康教育、各教科を除く「〇〇教育」は多く存在する。耳慣れたものだけでも、人権教育、環境教育、国際理解教育、情報教育、福祉教育……と枚挙にいとまがない。

 「〇〇教育」で取り上げる内容は、いずれも今日の社会課題の解決に向けた重要なテーマであり、学校においてもその目的の実現、課題の解決に向けた内容を取り上げ取り組むことが求められた。関係する内容が学習指導要領に示されている。

 今回の学習指導要領の改訂では各教科の内容自体に大きな変更はないが、資質・能力の三つの柱で再構成されている。10年に1度実施される学習指導要領の改訂は、学校の全面リニューアルの時機でもある。この機会に新学習指導要領の趣旨に即して「〇〇教育」の扱いも全面的に見直す必要がある。

 その際必要となる視点が、今回の改訂で重視されているカリキュラム・マネジメントの三つの側面である。

 一つは、「各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科等横断的視点」である。「〇〇教育」の目的・目標や取り上げる指導内容・方法と、各教科等のそれとの関連を確認する。「〇〇教育」の内容については、国などの機関や各教育を推進する関係教育団体から啓発・指導資料が出されているので参考にするとよい。

 さらに、取り上げた内容の相互の関連、系統性や発展性を確認し、これらを指導計画に位置付ける。ESDカレンダーはその好例である。関連が多ければ全体像が見えるように「〇〇教育の全体計画」を作成しておく必要もある。総合的な学習の時間の全体計画などを参考にして作成すればよい。

 二つは「一連のPDCAサイクルの確立」である。これまでの「〇〇教育」の教育課程への位置付け方、全体計画や指導計画の内容とその取り組み方、子供たちの姿や地域の現状に関する各データ、これまでの学校評価・教育課程評価を総括して「〇〇教育」の扱い方を見直し、今後の取り組み方を判断することである。

 三つは「教育内容と教育活動に必要な人的・物的資源の活用」である。「〇〇教育」においてどのような教育資源を活用し、どのような効果を上げてきたかを見直し、改めて必要な教育資源を確認することである。

 「〇〇教育」は数多くあるが、取り上げる内容のほとんどが学習指導要領に示されている。したがって、その内容を確認の上、学校や地域の実態に応じて重点の置き方や取り上げ方を工夫して教育課程に位置付け、指導計画に具体化することが大切である。

 また、学校だけでなく家庭や地域と連携して教育課程を編成し、指導計画を作成する必要もある。繰り返しになるが、「〇〇教育」で取り上げる内容は現代社会の課題であり、その解決や実現は学校だけはできないからだ。成果を上げる鍵は、家庭・地域との協力連携にあるといえる。

 以上の視点をもって「〇〇教育」の在り方を見直し、意義ある実践につなげてほしい。