東日本大震災の影響で開催が遅れていた中教審の「教員の資質能力向上特別部会」(部会長・田村哲夫(学)渋谷教育学園理事長)は5月10日、前回までの審議経過報告が中教審総会で了承されて以来、3カ月以上をあけて会議(第9回)を再開、今後の議論の進め方について話し合った。

わが国の総人口は、平成21年10月1日現在、1億2751万人で、前年に比べて18万人の減少となっている。だが、65歳以上の高齢者人口は、過去最高の2901万人(前年2822万人)となり、総人口に占める割合、すなわち高齢化率も22・7%(前年22・1%)となった。

東日本大震災による東電福島第1原発の事故発生以降、周辺地域では高い放射線量が測定され、飲料水や食品から放射性物質が検出されるなど、深刻な状況が続いている。その影響は、風評被害も含めて国内外に及んでいる。放射性物質が与える影響として、特に心配されるのが子どもたちの体への影響だ。

東日本大震災の復興支援を目的とした政府の平成23年度第1次補正予算案が、5月2日の国会で成立した。政府全体の予算額は1兆8407億円で、このうち文部科学省関係は3034億円である。

東京都教委はこのほど、「東京都の公立小学校教師を志す学生の皆さんへ」と題した「小学校教職課程学生ハンドブック」を12万部作成し、全国の小学校教職課程をもつ大学の全ての学生に配布した。ハンドブックは、教員の資質・能力を高めるためには養成・採用・研修を一体のものととらえる必要があるとして、同教委が昨年10月に公表した「小学校教諭教職課程カリキュラム」に基づき、小学校教師になるために学生時代に身につけておいてほしい必要最小限の資質・能力を示したものである。

東日本大震災は、学校教育にも甚大な被害をもたらした。
大地震が発生した時間が午後2時46分であったため、多くの小・中・高校などに通う児童生徒が津波や校舎・家屋の倒壊などで犠牲になった。岩手、宮城、福島3県における園児・児童・生徒・学生・教員の死者・行方不明者は1000人を超え、今後も死者は増えていく。文部科学省によると、この震災による物的被害があった学校(国立、公立、私立)は、1都10県に7200校を超え、卒業式や入学式などの学校行事が行えない、新学期の開始が大幅に遅れたなどの影響が出ている。

新学期4月から小学校では、新学習指導要領による教育活動がスタートした。中学校も移行措置期間の最終年度として、これまでの取り組みを総括し、本実施に向けた態勢を整えることになる。

東日本大震災による学校の被害状況が少しずつ明らかにされてきた。文部科学省の4月15日現在の調査によると、岩手、宮城、福島3県の国公私立学校の人的被害は死亡が493人、負傷が89人、行方不明が431人である。同3県の物的被害は、国立学校が17校、公立学校が1773校、私立学校が433校に上る。主な被害は、校舎や体育館の倒壊や半焼、津波による流失、水没、浸水などのほか、地盤沈下、校庭の段差や亀裂、外壁・天井の落下、外壁の亀裂、ガラス破損などである。

政府は昨年7月23日に、「子ども・若者育成支援推進法」(平成21年制定)の施行を受けて、「子ども・若者ビジョン」を策定した。これについては、昨年12月13日付の本紙社説で述べ、社会の能動的形成者の育成の重要性について述べたところであるが、昨年末に発表された「平成22年版子ども・若者白書」(昭和31年から刊行されてきた「青少年白書」が、昨年からこの表題に変わった)は、全ての子ども・若者の健やかな成長を支援する、注目すべき次の取り組みを紹介している。

東日本大震災の被災地への教育支援が活発化している。それこそ、地方自治体、民間団体、教育関係団体などが義援金や物品の拠出などを通じて、全国的な規模で行われている。

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