学校の当たり前を見直す 教育活動のエビデンス(3)エビデンスを得るための情報収集

岐阜県養老町立養北小学校教諭 森 俊郎

エビデンスはどうすれば手に入れられるか。前回触れた通り、エビデンスは大規模な実験による科学性の高い知見であり、簡単に作り出せるものではない。そして、われわれ教員はとても忙しい毎日を送っている。エビデンスがあったとしても、無料で、簡単に(具体的に言えば5分以内に)見つけることができなければ、日々の実践の中で使おうと思わないだろう。少なくとも、私はそうだ。

今回は、そんなニーズに応えてくれるエビデンス提供サイトを3つ紹介したい。

①(米国)What Works Clearinghouse

②(英国)Education Endowment Foundation

③(ニュージーランド)Iterative Best Evidence Syn-thesis Program

これらのサイトは、各国政府・財団が運営母体となり、教育活動の支援につなげる目的で、質の高いエビデンスを無償で提供している。各サイトとも30以上のエビデンスを掲載し、少人数学級、グループ学習、国語や算数の学習方法など、日本の教員にとっても身近なテーマが多い。一つのテーマにつき、30人ほどのスタッフが6~8カ月かけてエビデンスとしてまとめている。

前述の米国サイト(①)が発行する、エビデンスと具体的な実践方法を掲載した資料「エビデンス実践ガイドブック」は、約1億円を投じて作られているというから驚きだ。ぜひ、これらのサイトからエビデンスを入手し、教育活動の見直しに取り組んでほしい。

日本の教員にとって最大の難点は、いずれのサイトも英語表記である点だ。最近はインターネットの自動翻訳技術も発達してきたものの、英語に苦手意識のある教員にとってはハードルが高い。

そこで私は、これらのエビデンスを日本語で分かりやすく、かつコンパクト(A4用紙1枚)に伝えるために「エビ探」という特設サイトを制作した(2020年1月から本格運用開始)。「エビデンスに基づく教育研究会」ホームページに詳しい説明があるので、こちらもぜひ参考にしていただきたい。

今、こうしてこの記事を読んでいる間にも、世界中でより良い教育の在り方に関する研究と実践が積み重ねられている。学校や教育委員会、教員は、これまでのやり方に固執してはいけない。少しずつでもエビデンスを手に入れる努力をすることが、児童生徒の学力向上や教員の働き方の改善、校内研究の充実につながっていく。