【連載】ESDの魅力 その6 地域に広がるESD

「つながり祭」ポスター
「つながり祭」ポスター

横浜市立永田台小学校長 住田昌治

 

授業で実践したことが、学校から外へ広がり、地域社会で展開されるようになることもESDでは欠かせないことであり、大きな魅力でもある。

今年度から永田台では、「赤ちゃんから お年よりまで みんなあつまれ!」をテーマに「つながり祭」を2カ月に一度開いている。以前は学区にある団地の商店も賑わっていたが、高齢化が進み、今では居住者も減り、スーパーマーケットといくつかの商店だけになってしまっていた。そんな折、かつての賑わいを取り戻すために25年も開かずのシャッターとなっている商店を活用しようと、地域が動き出そうとしているのを聞きつけ、「持続可能な地域の活性化」協働プロジェクトが始まった。

地域との関わりを深めてきた永田台小学校では、子供と教員が企画ワークショップから継続的に参加して準備を進めてきた。テーマやイベント名も子供たちが考え、登り旗やポスターも制作し、全校や地域に参加を呼びかけた。

4月から隔月土曜日の昼下がりに開催してきた「つながり祭」は、回を追うごとに参加者や参加団体が増え、演奏やダンス発表なども加わり賑わいを増している。団地にある高齢者施設の利用者や団地住民も多数参加し、体を揺すって楽しんでいる様子もほほえましい。授業で行った認知症キッズサポーター講座やゴミワーストワン脱出大作戦、笑顔を地域に広げるプロジェクト等から始まったさまざまな地域との協働が、6年間の取り組みを経て「つながり祭」として花開いた。そこには、地域の人を笑顔にしたいという子供たちの気持ちがあふれている。

また、さらに広く社会とつながる窓として、6年間にわたって小学校では唯一毎年出展しているエコプロダクツ展(東京ビッグサイトで開催)でのESDの展示と発信も大きな魅力一つである。環境・社会・経済・文化の統合的な取り組みは、持続可能な未来をつくる教育が学校で行われていることを広く社会に知らせるのに寄与してきた。

一人ひとりが「ちょっと聞いていただけますか」と見知らぬ来場者に声をかける形式で進める永田台キャッチ方式は、子供の主体性と自己有用感を生み、1日で見違えるほどに成長する。語り合った大人も自らの生活を振り返り考え込む場面もよく見られる。

「もみじアプローチ」で進めてきたESDは、教室での授業実践を超え、学校を超え、地域へと広がり、地域の持続可能性を形成するコアになってきた。個人と集団との有機的な関わりが、互いを引き付け合い、身近なことから地球規模の課題に至るまで自分事として捉える機会を日常的に見いだし、そこで得た感情や解決に向けた視点を他者に語りかけるといった「課題の意識化と解決に向けた行動化」へのサイクルを創出している。

あなたへのお薦め

 
特集