よくかんで歯の健康守る キシリトールで丈夫な歯に

規則正しい生活習慣も大切
福田雅臣日本歯科大学生命歯学部衛生学講座教授が登壇

むし歯予防と生活習慣の大切さを児童に伝える、(公財)日本学校保健会主催の「2016年度『学校プログラム』楽しく学ぼう!歯の健康づくり講座」がさきごろ、東京都江東区立第二辰巳小学校(遠藤朋子校長、児童数617人)で実施された。5年生106人が、むし歯ができてしまう過程について話を聞き、しっかりかむ重要性など、むし歯予防の知識を学んだ。

講師は、日本歯科大学の福田雅臣生命歯学部衛生学講座教授。

福田教授の問いかけに手を挙げる児童ら
福田教授の問いかけに手を挙げる児童ら

はじめに、「むし歯で痛い経験をした人はどれくらいいますか」と聞くと、児童数人が挙手。「それでは、むし歯はどうしてできるのか知っていますか」と続けると、児童は興味津々の表情で説明を聞いた。

口中のむし歯菌はミュータンス菌とも呼ばれており、これが食べ物(砂糖)を分解し、発酵すると酸が発生。その酸が歯をむしばみ、エナメル質を溶かして、むし歯になってしまう。砂糖が入っているものほどプラーク(歯垢)をたくさん作り、むし歯菌を成長させる。

むし歯の成立図「カエスの輪」
むし歯の成立図「カエスの輪」

福田教授はむし歯の拡大写真や、むし歯菌と食べ物(砂糖)、歯・口が3つの輪になり重なった、むし歯の成立図「カエスの輪」などをスクリーンに映しながら、どうしてむし歯ができてしまうのかを、児童に分かりやすい言葉で丁寧に説明。

真剣に聞き入る児童らに、「今朝、歯磨きした人はいますか」と質問すると、ほとんどの子供たちが手を挙げたが、「時間をかけて磨いた人はいるかな」と続けると、挙手の数はグッと減ってしまった。そのため「むし歯にならないためには、時間をかけて丁寧に歯みがきをするのが一番大切だよ」「歯の表面を強くするにはフッ素が必要だよ」と、フッ素の入った歯磨き剤を使うようアドバイスした。

続いて、砂糖と同じような甘さがありながら、むし歯予防に効果的な「キシリトール」について話した。むし歯菌はキシリトールを分解できず、酸が発生しない。その上、むし歯菌の繁殖も弱まると説明。
そこで児童らは、キシリトールを実際に体験しようと、キシリトール入りのピンクとブルーの2粒の咀嚼そしゃく力判定ガムを、1秒間に1回のペースでしっかりと60回かむのに挑戦。かみ終えると、1つになったガムを口からトレーの上に出した。ガムの色は混ぜ合わされて紫色になっていた。このガムは、まだら模様の残り具合で、咀嚼力が十分にあるかが分かる。児童らは、自分のかみ具合が十分か、トレー上のガムをよく見て確かめた。

「みんな、口の中はどうなりましたか。唾液は出てきましたか」と、唾液の重要性も説明。唾液には、▽歯をきれいにする▽酸の力・ばい菌を弱らせる▽歯を保護する——などの役割がある。よくかむと、唾液がたくさん出て、歯の表面がツルツルになると聞いた児童らは、舌で歯の感触を確かめた。

また「規則正しい生活習慣が、健康な体を作っていく基本」と強調し、▽規則正しく食事をとる▽歯にいい食べ物を選ぶ▽おやつの回数を減らす▽だらだら食べやながら食べをしない——とルールを教えた。

絵本と苗木の贈呈が行われた
絵本と苗木の贈呈が行われた

加えて、「定期的に歯医者さんに行って歯や口を見てもらうのも必要です」と勧め、むし歯から歯を守る方法として「歯磨き、フッ素、正しい食生活、定期検診、キシリトールが大切」と念押しした。キシリトールの原料はシラカバの木だとも付け加え、「シラカバの木を守るのが、歯や口の健康を守るのにつながります。キシリトールを作るためには、自然や環境を守る必要があります。それを忘れないでください」と児童らに呼びかけた。

話の終わりには、絵本やシラカバの苗木が贈呈され、児童らは大きな拍手をして謝意を伝えた。

「歯を大事に」と話す遠藤校長
「歯を大事に」と話す遠藤校長

遠藤校長は児童らに「毎日の生活の中で実行していって、みなさんの歯を大事にしていきましょう。そして、いただいたシラカバの木を大切に育てましょう」と話し、児童らは「はい、分かりました!」と元気な声で返事をした。

終了後には、「ガムおいしかった」「かたくなかったよ」と笑顔の児童らも。興味を持って学んだ様子がうかがえた。

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