【連載】ESDの魅力 その8 成果を国内外に発信-エコプロ2016

横浜市立永田台小学校長 住田昌治

 

昨年12月8〜10日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催されたエコプロ2016。企業や行政、NPOや大学等のブースに並んで、ひときわ目を引く横浜市立永田台小学校の手づくりのブース。今年で7年連続の出展となる。ESDの学びの要素が、この出展に全て盛り込まれている。

ESDの取り組みを展示した永田台小のブース
ESDの取り組みを展示した永田台小のブース

3〜6年生と特別支援学級の児童は、学校と地域で取り組んできたESDの活動をパネルに展示し発表した。

どの学年もESDの視点でテーマを決め、年間を通して、人と人、自然と人、世界と地域とのつながりを通して自分たちの生き方やふるさとを見つめ直した。1、2年生は展示とパンフレットのみの発表だが、ブースでの存在感は大きい。

ここから永田台キャッチ方式が生まれた。ブース前を通る大人に「話を聞いてもらえますか」と声を掛け、自分たちの活動を説明する。大きな企業ブースが立ち並ぶ中で、学校で行うような発表形式では全く聞いてもらえない現実に直面した子供たちが、ブースから飛び出して始めた。

それまで受け身だった子供たちは劇的に変化した。自分から一歩前に出て、声をかけて聞いてもらうのである。

ごみ問題、水の大切さ、地球温暖化、生物多様性、食の安全、防災、高齢化、地域の活性化等々、自分事として取り組んできた。世界を見渡して地球事として捉えて話をする。大人も解決策をもたない、答えのない問いである。

世界共通の課題について語り合い、涙を流す大人もいる。大人と子供との間で学び合いが生まれる場合もある。

「自分の仕事や生き方を見直すきっけになった」「子供がここまで考えているとは思ってもみなかった。会社の人にも話してみたい」「絶対、永田台小学校のブースに行ってみるように会社に帰ってら伝えたい」など感想が張り出される。話を聞いてもらっただけでなく、自分の話を大人が真剣に聞いてくれ、その話を認めてくれたり、褒めてくれたりすることが大きい。大人が考え込んだり、考えが変わったりする様子を見て、自分の思いが伝わったのを実感するのだ。

大人と話し、意見交換して考えを深めることができる。真剣に話した子供は自信に満ちた顔だ。

来場者に声をかけて自分が取り組んできたことや考えていることを話す。声を掛けても必ず聞いてもらえるとは限らない。世間の厳しさも知る。落ち込むことなくしなやかに乗り越え、次へと向かう。場のもつ力にも後押しされ、たくましさも身に付く。

どの子も、緊張しながらも積極的に話す。担当の時間になると、広い会場のあちこちで声をかけている。見ず知らずの人に声をかけるのは大人でも難しい。その姿を目の当たりにした教師たちは、子供の可能性を改めて感じるのである。この1日の成長は計り知れない。

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