第20回図書館を使った調べる学習コンクール 5作品に文科大臣賞

(公財)図書館振興財団(石井昭理事長)主催の第20回「図書館を使った調べる学習コンクール」の表彰式が2月25日、都内で行われた。7万7453点の中から30作品が入賞、各賞を受賞した。そのうち小学生の部で低・中・高学年から各1人、中学生の部、高校生の部から各1人に文科大臣賞が贈られた。

受賞者を代表して、高校生の部作品「美術館展示と陰翳礼讃論~ろうそくの明かりと美術館展示の可能性を考える~」で文科大臣賞を受賞した女子美術大学付属高校(東京都)2年生の広瀬由子さんがあいさつ。

「小学生のころから日本画の鑑賞や調べることに興味があった。昼は自然光で、夜はろうそくの明かりのもとで描かれた絵を、白熱灯のもとで鑑賞するのではなく、作品が描かれた当時となるべく同じ状況で鑑賞するべきではと思い、レポートにまとめ応募した。まずは、同じ考えをしている人がいないか図書館で調べたところ、谷崎潤一郎の著作『陰翳礼讃』を発見した。日本の古美術品に金や銀が多様されているのは、闇の中でろうそくなどの明かりを受けて輝き、闇に映えるさまや、制作者の意図がそこに隠されているのに気付いた」

「海外の美術館はどう考えているのかと思い、日本画を多くコレクションしているボストン美術館で、日本画展示照明に関するアンケートをしたいと思ったところ、文科省の『トビタテ!留学JAPAN』の奨学金で昨年7月に1カ月半、ボストン大学の高校生プログラムに参加できた。大学の芸術学部の先生に思いを伝えたところ、学芸員と話す機会を与えていただき、調査できた。34人という小規模な調査だったが、さまざまな国籍の人に意見を聞くことができ、76%がろうそくの明かりによる日本画展示に賛成という結果が得られた。美術館は日本画の魅力を世界に発信できる展示に取り組んでほしい」と思いを述べた。

審査員長を務めた銭谷眞美東京国立博物館館長は「入賞の作品には『~について』というテーマがほとんどない。テーマ、題名の付け方がユニークな作品が多く『調べる実体験を通じ、楽しさを知ってもらう』このコンクールのねらいと特徴が凝縮されている。自ら獲得した知的好奇心や読解力、思考力、言語力、表現力を、さらに積み重ねていってほしい」と述べた。 

広瀬さん以外の文科大臣賞受賞者と作品は次の通り。

▽小学生低学年の部=東京都墨田区立両国小学校2年生・籾山大空さん「し…しりたい江戸のヒーロー勝海舟」▽同中学年の部=東京都江戸川区立葛西小学校3年生・上田愛友里さん「みその中になにかいる!? それがみそだよ 日本の味」▽同高学年の部=千葉県袖ケ浦市立昭和小学校6年生・広瀬一樹さん「アクアライン鉄道は実現できるのか?」▽中学生の部=埼玉県三郷市立早稲田中学校3年生・臼井律華さん「めざせ! 自然体な人間関係~自信をもって活きる~」

入賞作品とは別に、地域コンクールを開催した91自治体の中から、千葉県八千代市立中央図書館、埼玉県三郷市教委、東京都板橋区・同区教委の3団体に、「図書館を使った調べる学習活動賞」が贈られた。

入賞作品の詳細は、後日、同財団サイト(https://www.toshokan.or.jp)に掲載される。