第14回手づくり絵はがきコンクール 団体の部の最優秀賞に愛知県蒲郡市立竹島小学校

団体の部最優秀賞の愛知県蒲郡市立竹島小学校
団体の部最優秀賞の愛知県蒲郡市立竹島小学校

日本製紙連合会(馬城文雄会長)は、小学生に紙への関心を高めてもらうとともに、紙のリサイクルを身をもって体験してもらうことを目的に、第14回「手づくり絵はがきコンクール」を開催した。牛乳パックなどをほぐして紙すきしたはがきサイズの紙に、絵を手描きした作品を募集。147の小学校と個人から2308作品の応募があり、厳正な審査の結果、愛知県蒲郡市立竹島小学校の2、5、6年生児童188人に団体の部最優秀賞が贈られた。

同校で開催された表彰式では、羽山正孝理事長から代表児童に賞状と副賞が手渡された。同理事長は「みなさんの身の回りにある本やノート、新聞やティッシュペーパー、通信販売の段ボール箱など、紙は生活に欠かせないものです。紙は木の繊維をかためて作ります。だから、使い終わった紙は、とかして繊維をバラバラにすれば、もう一度新しい紙に生まれ変わることができるのです。そのことを実際に体験してもらうために、このコンクールを始めました」と述べ、「竹島小学校のみなさんのはがきは紙としてとてもきれいにできています。描かれた絵も、2年生は元気よく、5、6年生は洗練された雰囲気の出来栄えでした」と評した。

■3学年が協力して制作

最優秀賞を受賞した児童らの作品には、コンテストのテーマである「夏休みの思い出」が生き生きと描かれ、どの作品からも楽しさや躍動感が伝わってくる。

一口に「牛乳パックからはがきを作る」といっても、誰でも簡単にできる、というものではない。複数の工程がある上に、低学年児童も作業することを考えると、さまざまな制約が生まれてくる。

作品制作の指導に当たった竹島小学校の内田李江子教諭は「初めは分からないことだらけでした。過去には、出来上がった紙の表面の凹凸が激し過ぎて、子供たちがうまく絵を描けませんでした」と振り返る。

内田教諭は試行錯誤を繰り返しながら、手探りで作成方法を習得。同時に、授業時間内でどの児童も作り終えるよう効率化を考えた。また、鍋で材料を煮たり、漂白剤を使ったり、すき終えた紙にアイロンを当てたりといった、熱や薬品を使う工程は別の方法を考えるなど、安全にも充分配慮した。

「複数の学年が作業するので、下準備は学年ごとに分業化することで、難易度の問題を解決しました。紙パックをバラバラにして、そこからはがきができるということに、子供たちはとても感動していました」と内田教諭。

6年生の新村洋生さんは「東京に行った思い出」と題して、浅草の雷門を大胆な構図で描いた。「自分で作った紙は、普通の紙と違って、デコボコしていて描きにくかったけど、それが面白かった」と語る。

2年生の八木実咲さんの作品は「スイカをたべたよ!」。美味しそうなスイカがしっかりした線で描かれ、絵の具で塗られた色面が、紙の凹凸の加減で味わいのある風合いとなっていた。

6年生の大西咲月さんは「初めてのサップ」というタイトルで、ウォータースポーツの体験を描いた。はがきの全面をしっかりと青い絵の具で塗りこみ、水面を表現した。「自分で作った紙は、絵の具がすごくしみ込むので、広い面積を塗るのが大変でした。それから、消しゴムが使えないので、下絵を描く時緊張しました」と話す。

市販の画用紙のように絵が描きやすいわけではないが、自分で作った紙に児童たちは格別の愛着を寄せていた。

■再生させる喜びは、生きる力へ

手づくり絵はがきコンクールの作品制作を通して、児童たちの意識に変化があったと語るのは壁谷昌泰校長。「子供たちは、これまでごみだと思っていた使用済みの牛乳パックを、自分たちの手で新しいはがきによみがえらせるというプロセスを体験することで、『ああ、これがリサイクルということなんだ』と、身をもって知ることができました。きっとこれから家庭でのごみの分別にも関心を持つでしょう。再生させる喜びを学んだことは、今後の人生において大きな力となるに違いありません」。

絵はがき作りそのものが、竹島小学校の児童たちにとって、忘れられない夏の思い出になったようだ。

◇ ◇ ◇

団体の部と最優秀賞以外の受賞結果は次の通り。

【団体の部】▽優秀賞/岡山県倉敷市立旭丘小学校、静岡県富士市立青葉台小学校▽特別賞/埼玉県川越市立仙波小学校、埼玉県さいたま市立常磐小学校、東京都墨田区立第一寺島小学校、愛媛県新居浜市立大生院小学校、東京都八王子市立秋葉台小学校

【個人の部】▽最優秀賞/滋賀県・野村未来さん(5年生)▽優秀賞/大阪府・半田倫大さん(1年生)、福岡県・寺田紘華さん(2年生)、秋田県・浅野大喜さん(3年生)、神奈川県・洞野愛美さん(4年生)、神奈川県・石井瑛さん(5年生)、滋賀県・鶴賀結葵さん(6年生)▽特別賞/愛知県・荻田咲和さん(4年生)、岡山県・門脇天音さん(1年生)、茨城県・川上敬太郎さん(4年生)、神奈川県・田中快翔さん(1年生)、愛媛県・田中深冬さん(1年生)、神奈川県・丹下朱凛さん(2年生)、神奈川県・辻彩音さん(4年生)、兵庫県・林永眞さん(5年生)、静岡県・望月あかりさん(4年生)、神奈川県・山﨑光将さん(6年生)