JXTG童話賞 独自の発想と創造性に富む18作品選ぶ

「心のふれあい」をテーマにオリジナル創作童話を募った「第49回JXTG童話賞」(主催・JXTGホールディングス(株))の授賞式が11月16日、都内で開催された。応募総数1万2591作品(小学生以下の部1573編、中学生の部2395編、一般の部8623編)の中から、受賞作品(最優秀賞、優秀賞、佳作)18編が選ばれた。このうち最優秀賞に選ばれた3作品の概要は次の通り。

▽小学生以下の部は神奈川県横浜市の小学校4年生・馬渕和奏さんの「今日から六月!?」/朝起きてみるとカレンダーが5月32日。母親もテレビのアナウンサーも「5月32日」と言う。時間を自由にあやつる「月日の精」がこの混乱を招いた。「月日の精」は、「なぞなぞの勝負をして勝ったら元に戻してあげる」と提案。主人公は勝負を挑み見事勝利する。

「過ぎ去ってほしいこと、ほしくないことなど時間の感じ方はその時々」ということを考えさせられるユニークな作品。

中学生の部は、広島県呉市の中学校3年生・藤井早紀子さんの「ゆらゆらな傘の空」/傘をさして空を支えているという不思議な女の子に出会う主人公。「傘を閉じたら空が落ちる」という女の子に、「空を落としたら、空の上にいる亡くなった母に会えるから落としてほしい」という主人公。「大切な傘だから閉じることはできないけど揺らすことはできる」と女の子。揺らすことで、母が好きだった夕焼けの景色を再現して見せる。絵画的で読み手を引き付ける作品。

一般の部は、東京都板橋区の冨田龍一さんの「月の道」/海に広がった月の光の道を船でたどると月の浜辺に到着。そこで網に引っ掛かったウサギを助けるとウサギは1件の民家へ導いてくれる。そこには無くなった妻の姿があった。妻は「私はここから離れることはできないけど、あなたはここにとどまることもできる」と告げるが、主人公はとどまらずに帰る。生と死や夫婦の絆を描いたロマンチックな作品。

審査総評で、選考委員を務めた児童文学者の西本鶏介さんは「昨今、『自分さえよければよい』という風潮のある中、他人を思いやる心のふれあいについて1万人以上の人が考え創作に取り組んでくれていることに、この童話賞を実施している意義を感じる」と述べた。

JXTGグループでは佳作以上の受賞作品を童話集「童話の花束」として刊行。系列のサービスステーションを運営する特約店、LPガスの特約店、グループ各社の役員および従業員を中心にチャリティー販売する。売上金は「JXTG童話基金」に組み入れられ、同基金から毎年、社会福祉法人全国社会福祉協議会に寄付されている。今年は5千万円が寄付された。