第15回手づくり絵はがきコンクール 愛知県蒲郡市立竹島小学校が2年連続で団体の部の最優秀賞に

日本製紙連合会はこのほど、「第15回手づくり絵はがきコンクール」の結果を発表した。小学生が紙に親しみを持つこと、そして紙のリサイクル体験を通じて、リサイクル活動への興味を育むことを目的に、2004年から開催しているコンクールである。

牛乳パックなどをほぐして紙すきしたハガキサイズの紙に、絵を手描きした作品を募集するというもの。第15回となる今回は、117の小学校並びに個人から1662作品の応募があり、厳正なる審査の結果、愛知県蒲郡市立竹島小学校の2、3、5、6年生児童209人に団体の部最優秀賞が、同校6年生の田端雄太さんに個人の部特別賞が贈られることになった。

同校で開催された団体の部表彰式では、羽山正孝理事長から代表児童に賞状と副賞が手渡された。竹島小学校は昨年に続き、団体の部2連覇の快挙となった。

羽山理事長は、「みなさんが普段使っている紙の材料は木です。木の中のセルロースという繊維を固めると紙になります。使い終わった紙は、一度水に溶かして、また固めれば新しい紙に生まれ変わります。紙を繰り返し使う事は、資源を有効に活用することです。日本で作られる紙の材料の64%は、こうした古紙がリサイクルされて使われています」と語った上で、「竹島小学校のみなさんのハガキには躍動感があふれていて、夏休みの楽しさや感動がいっぱいつまっていました」とスピーチした。

〇児童たちの作ったはがきは技術習得の証し

最優秀賞を受賞した児童たちの絵はがきを評して、羽山理事長は「紙として非常によくできている」と絶賛する。手作りはがきでは、紙すきの工程が難しく、たいていは厚くて表面がデコボコした紙になってしまうという。ところが、竹島小学校の児童たちの作った絵はがきは、薄く、厚みが均一で、表面がとても滑らかだ。

作品制作の指導に当たった竹島小学校の内田李江子教諭は次のように語る。

「薄くて滑らかな紙にしようとすると、わずかな指の動きの違いで穴が空いてしまいます。去年の経験を土台に、子供たちはどうやって指を動かせばきれいな紙になるのか、研究して習得していったのです」。

児童たちのめざましい技術の向上には、内田教諭も目を見張ったという。

「水とパルプの配合を子供たちに任せてみたのですが、試行錯誤しながら最適な配合を作り出しました。『去年よりさらにいいものを作りたい』という熱意を持って作業に取り組んでいました」。

学んだことを吸収し、応用、発展させていく制作風景に、児童たちの成長が垣間見える。

〇はがき制作を通して児童たちが学んだこと

個人の部で特別賞を受賞した田端雄太さんは、水を飲む自分の姿を描くことで、2018年の猛暑を表現した。

「図工の時間にグラデーションで空の塗り方を習ったので、人間の肌にも使ってみようと思いました」と振り返る。日焼けした肌に夏の強い日差しが当たってできる明暗が、グラデーションの技法によって見事に表現されている。

大野邦彦校長は、「内田先生のステップを踏んだ授業によって、子供たちは知識や技術を積み重ねて習得し、さらに応用するという経験をしました。また、『紙』という身近に当たり前に存在するものを『世界にひとつだけの作品』に作り変えました。これは素晴らしい体験です」とした上で、「これからの社会は、価値観が多様化し、情勢の変化もますます激しくなるでしょう。子供たちは、正解がひとつとは限らない世界を生きていくことになります。一人一人が異なる答えを出し、お互いに共有しつつ高め合っていくことが求められる中、絵はがきコンクールの作品制作は、子どもたちの『生きて働く力』を育む取り組みとなったはずです」と語った。

1枚の小さなはがきは、児童たちの無限の可能性を引き出したのかもしれない。

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その他の受賞結果は次の通り(敬称略、重複を避けた)。

【団体の部】=▽優秀賞/埼玉県川越市立仙波小学校、岡山県倉敷市立旭丘小学校▽特別賞/埼玉県さいたま市立与野西北小学校、神奈川県相模原市立谷口台小学校、山口県下関市立桜山小学校、埼玉県草加市立花栗南小学校、静岡県富士市立富士第二小学校

【個人の部】=▽最優秀賞/東京都・三上咲耶さん(2年生)▽優秀賞/岡山県・峠光希さん(1年生)、埼玉県・寺久保樹里さん(2年生)、神奈川県・矢澤彩花さん(3年生)、兵庫県・林詩月さん(4年生)、千葉県・寺島未桜さん(5年生)、千葉県・木下咲音さん(6年生)▽特別賞/秋田県・浅野大喜さん(4年生)、岡山県・吉川みゆさん(6年生)、埼玉県・神内貴仁さん(1年生)、神奈川県・副島夏妃さん(6年生)、埼玉県・土屋香蓮さん(5年生)、東京都・藤堂芙妃さん(3年生)、神奈川県・洞野愛美さん(5年生)、東京都・三田村至誠さん(3年生)、埼玉県・吉田歩未さん(5年生)