『レア力で生きる 「競争のない世界」を楽しむための学びの習慣』 著者の小宮山利恵子氏に聞く

AI時代に必要な学びとは

教育新聞特任解説委員で、スタディサプリ教育AI研究所所長の小宮山利恵子氏が7月18日、『レア力で生きる「競争のない世界(ブルーオーシャン)」を楽しむための学びの習慣』(KADOKAWA、1400円+税)を出版した。

AI・テクノロジーの進展で、社会ではさまざまな変化が起きている。2011年に小学校に入学した子供のうち、65%は今存在しない職に就くとも言われている。また、人生100年時代到来で健康寿命が80歳と予測される一方、会社の平均寿命は23年と、その間には大きなギャップがある。

「今後は学び続けられるかどうかが、より重要になってくる。自分の『好き』を追求する学びが大切」と語る著者に、本書の狙いなどを聞いた。

これからは学び続ける必要がある
――本書の役割は。

「学びや仕事の常識の転換、新しい価値観の理解」だと思います。「自分の仕事がAI・テクノロジーに奪われる」という危機感を抱いている人は少なくありません。本書では、「自分の好きなこと・ものが何なのか」の棚卸しから始め、それをいかに追求していき、レアな(希少な)存在となるかについて書いています。

米国の著名な未来予測学者が数年前に話していた言葉、「社長でも週10時間オンラインで学ばないと、その地位を維持することができない」に象徴されるように、これからは学び続ける必要があります。

学んできたからこそ開いた扉がある
――具体的な内容は。

私自身、元々はひとり親家庭で育つなど複雑な家庭環境だったこともあり、学びとは縁遠い存在でした。家族でも大学を卒業した人がおらず、私が大学に進学して初めて大学院の存在を知りました。

ただ、母の言葉「学びは機会を創る」がいつも念頭にあり、チャレンジし、学んできたからこそ開いた扉がいくつもありました。チュニジアへのアラビア語留学もその一つです。仕事においても国会議員秘書に始まり、ベネッセ、グリー、リクルートと転職し、いつの間にか私のようなキャリアを持った人はほとんどいないことに気づいたのです。

今年度からは東京学芸大学で准教授も兼務しています。私のこれまでの学びがどのようなものだったのか、AI時代に必要な学びとは何か、明日からでもアクションを起こせる項目を整理しました。

自分にはどのような学びが必要なのか
――どういう人に読んでほしいか。

30代で「これから自分の仕事はどうなるか不安だ」と感じている人に読んでいただきたいです。

最近は「リカレント教育」という言葉をよく耳にするようになりました。大学での学びだけで人生を生き抜くのは難しい。自分にはどのような学びが必要かを、一から考えたいという人にも最適です。

また、私が参加した国際カンファレンスの最新の内容なども含めて、AI時代に必要な学びについても書いています。

これからの学びが、どのようなものになっていくか。その方向性に関心を持つ親御さんにとっても有益でしょう。子供だけではなく、親自らも学び続ける必要があることも理解していただけると思います。