『新・エリート教育』著者 竹村詠美氏に聞く

世界の最先端の教育を視察してきた(一社)FutureEdu代表理事の竹村詠美氏が、『新・エリート教育 混沌を生き抜くためにつかみたい力とは?』(日本経済新聞出版・1800円+税)を上梓した。新型コロナウイルスの影響も含め、経済や社会が激変する中、教育にもその変化の波は迫っている。世界のトップ校や先端校の実践から知るべきこととは、どんなことなのか。本書の出版の狙いなどについて、著者の竹村氏に聞いた。


――本書の狙いを教えてください。
竹村詠美著
日本経済新聞出版
1800円+税

過去4年にわたり、これからの学びを考えるドキュメンタリー映画『Most Likely to Succeed』の上映会活動を行う中で、44都道府県の方々から「これからの学びをどのように考えるべきか」という質問をいただいてきました。

映画で取り上げるSTEAM・プロジェクト学習(PBL)や探究型の教育はとても大切ですが、土台となる学習者中心の「ホール・チャイルド・アプローチ」から伝えることで、より後戻りしない、学校全体の本質的な改革を実行できると考えています。

本書では、私が今までに訪問させていただいたり、調査したりした100校を超える米国の学校の実践から見えてきたこと、そしてトップ校や先端校の実践から知るべきことを一冊にギュッとまとめました。エビデンスを基にしたさまざまな実践を知ることで、読者の皆さまの地域に合った学びのアップデートへのヒントになればと考えています。

教育はとてもローカルなものなので、「ワンサイズ・フィッツ・オール」とはなかなかいきませんが、これからの学びを客観的かつ俯瞰的に考えるヒントとして、米国のトップ校や先端校の実情を知っていただければと願っています。

――具体的な内容をご紹介ください。

本書は、VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity,  Ambiguity)の時代に必要な「ホール・チャイルド・アプローチ(学習者中心の学び)」の広がりを、米国のトップ校や先端校の取材、そして日本の先端事例からまとめました。

世の中の変化について4つの側面から紹介し、トップ校や先端校ではいかに頭だけではなく、心と身体の発達も大切にした学びが行われているかを紹介しています。

そして、政府や自治体だけに頼らない深い学びの事例として、産学連携のさまざまな事例についても紹介し、最終章では、学びの改新への提案で締めくくっています。

――どんな人に読んでほしいですか。

現在の学校教育環境に疑問を感じている教員や教育関係者、また企業のSDGs担当の方々、保護者、これから教員を目指す大学生などに手にしていただけるとうれしいです。