未来を担う子どもと共に歩む確かな教育実践 第36回東書教育賞 受賞者が決定

教育現場の優れた教育実践論文を表彰する、第36回東書教育賞(共催・東京書籍(株)、(公財)中央教育研究所)の各賞がこのほど決定した。今回のテーマは、「未来を担う子どもと共に歩む確かな教育実践」。コロナ禍ということもあり、ICTを活用した論文の応募が増加し、全国の小・中学校教員と教育関係者から142編の応募があった。審査の結果、最優秀賞2編、優秀賞4編、奨励賞7編、特別優秀賞1編、特別賞1編が選ばれた。なお、贈呈式は受賞者に対して審査員の講評をまとめた映像を送る形で行われる。

小学校部門の最優秀賞は、儀間奏子沖縄県南城市立大里北小学校教諭の「コロナ禍を乗り越える平和学習の創造を目指して」(道徳・国語)。コロナ禍の影響で、講師を招いての沖縄戦慰霊の平和学習が困難になった状況で、ビデオ視聴などの受け身の学習ではなく、新たな平和学習を創造しようと紙芝居を使った学習を構想。紙芝居はコロナ禍で登校できずにいる小学生を主人公にし、現地在住の語り部「きくさん」が主人公の絵本「きくさんの沖縄戦」を読み進める物語。紙芝居を見る事を通じ、コロナ禍の今と沖縄戦時の子供たちの生活を比較し、「遠い過去の出来事」と感じられる沖縄戦を「今」へと実感をもって「つなぐ」活動となっている。「コロナ禍だからしかたがない」という発想を「コロナ禍だからこそできることは何か」という行動に展開した臨機応変で柔軟な授業実践である。

中学校部門の最優秀賞は、山田達夫静岡県浜松市立細江中学校校長の「探究的な学びを通して、次代を創る子供たちの資質・能力の育成」(総合的な学習)。生徒が地域のよさや願い、課題に気付き、「自分ごと」として主体的に関わることで、自己肯定感を向上させ、地域への愛着と誇りをもち、自分たちが「未来を創る担い手である」ことの自覚を促すキャリア教育の実践。身に付けたい5つの力(気付く力、考える力、つながる力、伝える力、将来をえがく力)を明確にし、「課題設定」「情報収集」「整理・分析」「まとめ・表現」という探究サイクルによって体系的に学ぶプログラムとなっている。探究的な学びを重視しつつ、地元の行政、企業、大学、商品などと連携、協働し、地域への愛着を持つ人材を育てる実践である。

受賞論文は小・中学校別に論文集としてまとめられ、後日、全国の学校・教育機関などに配布される。また、優秀賞以上の受賞論文は論文集が発行された時点でホームページで紹介予定である。