(円卓)UDの授業づくり

(一財)教育調査研究所研究部長 小島宏

 

UD、ユニバーサルデザインとは、製品、施設・設備、情報、環境など、全ての人が利用可能なデザインのことである。

この考え方と取り組みが一般化しつつあるのはうれしい変化である。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには、この面でも世界の先頭に立ちたいものである。

これが、教育の面にも波及してきている。障害のある子も含む全ての子どもに対して、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育的支援をすることを、具体的に授業を改善する方向で、授業のユニバーサルデザイン化が研究・実践されている。

その第1が、うっかりミスを寛容できること(失敗に対する寛大さ)である。蒔田晋治の71行の長い詩「教室はまちがえるところだ」の神髄でもある。さまざまな子どもたちがさまざまな答えとさまざまな発想を交流しながら新しいことを学び取る取り組みを、どの教室のどの先生の授業でも実現したいものである。

第2は、関戸英紀の提唱する教師目線の「困った子」から、子ども目線の「困っている子」への転換である。この変換で、「まだできない、よく分かっていない」と、子どもの欠点探しになりがちな教師の眼差しを、「これができるようになった、少し進歩した、努力するようになってきた」などと改めることができるようになる。つまり、「子どもは何に困っているのか?」という視点で原因を探り、「困っていることを乗り越える手助けをしよう」という方向で方策を考え、子どもの指導・支援に当たるようになる。

第3は、評価観を「欠点探し」の減点法の評価から、「良いところ見つけ」の加点法の評価に変えることにつながる。これによって子どもは、認められ、褒められる機会が多くなり、自信を持ち、何事にも前向きに意欲的になる。自己肯定感の育成につながる。ただし、もっと良くなるために、少し注文をつける教育的愛情から必要なことである。

第4は子ども同士で討議するにとどまらず、好ましい人間関係の構築に役立つことである。誰もが参加可能な授業、誰もが素直に意見を言えて交流できる学習活動、認め合い・支え合い・高め合うディスカッション活動は、子ども同士の信頼関係を高めるからである。

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