(円卓)21世紀型環境教育

全国小中学校環境教育研究会副会長 國分重隆

 

持続可能な社会づくりに必要な資質・能力の育成は「21世紀型の環境教育」の具体化によって実現できます。

わが全国小中学校環境教育研究会では、実践を通して検証する研究を、積み上げています。私たちは、自然や地球上に共に生きる命、人の営み、人が創造し続けてきた社会など、地球上の全てのものを「環境」と捉えています。

そして、ESDを取り込み、教科等の目的も達成しながら、教科や総合的な学習を横断的、総合的に扱う新しい環境教育のモデルづくりに努めています。一緒に学びませんか。

さて、中教審教育課程部会教育課程企画特別部会の「論点整理」が出ました。そこには、わが会にとってうれしい記述があります。
目標レベルで「地球規模の問題にも関わり、持続可能な社会の担い手として将来を生き抜くために必要な資質や能力を育てる教育が大切」といった言葉や同様のニュアンスの言葉が随所に使われています。

それらは、わが会の主張とつながります。いよいよESDを取り込んだ「21世紀型の環境教育」の出番がやってきました。
一方、いまだに疑問に思う点があります。論点整理の中に「将来の変化を予測することが困難な時代に自らの可能性を最大限に発揮して幸福な人生を自ら作り出すこと」という言葉が繰り返し出てくるのです。

予測困難の中身は、技術革新、情報化の進展など、使わなかったり便利さを求めたりしなければ命に影響がないものです。
むしろ大切なのは、自分の幸福を優先することではなく、皆が幸福になれるように願う、共生を前提とする倫理感を誰もがもつべきだと思います。
優先すべきで、かつ予測ができ、誰もが立ち向かっていかなければならないのに、「論点整理」からは強く伝わってこないものがあります。人間がこのままの社会生活を続けていけば、地球そのものの存続が危うくなるという事実です。地球が滅べば、人間も滅びます。

2030年の変化の予測困難さを憂うことより、地球上の全ての命を大切に思い、未来永劫続くことを願い、目の前にある危機的状況を改善するための方策を考え出す力と実践力を養う教育を優先するのは、間違っているのでしょうか。

(東京都新宿区立鶴巻小学校長)