(円卓)絵は世界共通語

イラストレーター 牛嶋浩美

 

絵を描くのを仕事にしている私は、絵は世界共通の言語だと思っている。

昨年10月末に、私は米国ニューヨークの国連国際学校の生徒たちにワークショップを行った。同校は、国連職員の子息を教えているところで、120カ国の子どもたち、さまざまな国の教師がいる。

国連に入るのと同じようにパスポートチェックがあり、厳重な環境の中で、世界一グローバルな環境がつくられている。

ここでは先生たちも試されている。子どもたちに先生を評価する機会があり、先生は指導ビジョンを壁に張り出し、評価してもらう。全員が切磋琢磨しながら良い環境をつくっている。

ワークショップのきっかけには、ユニセフカードのデザインを17年間行ってきた経緯がある。国連の方とやり取りをし、取材を受けた。私が今後やっていきたい活動として、自分だけの絵本をつくってもらうワークショップがある。それを伝えたところ、セッティングが実現した。

私の絵の素材を使った自分だけの絵本をつくるというワークショップ。絵本の台紙に、私の絵でできたたくさんのステッカーを貼っていく。小学生から高校生まで、同じ素材を使う。そして、自由に貼ってもらい、ストーリーをあとで話してもらう。自分の中にあるものしか、この作業では出てこない。自分の無意識な世界を具現化できるツールにもなる。

小学生たちは、家庭の状況を絵本に表していた。小さな子どもたちにとっては、家族が世界なのだと思えた。中・高生になると、世界や宇宙がどうやってできたかなど、自分なりの思いを描いていた。大人が思っている以上に、豊かな感性をもって世界を見ているのに驚いた。

国籍が違っても、同じ素材が生み出す世界は、とても多様で豊かで幸せな世界だった。言葉を使わない時間。このときばかりは世界が平等に見えた。心や思いの部分では、みんな共鳴できている。そう思えた時間だった。

世界をひとつにしようとするから難しいのかもしれない。世界はもともとひとつなのだから。ありのまま、そのままを表現していいのだと思えれば、みんなそれを楽しむのかもしれないと思った。

私はこれからも、絵という道具を使って 世界がどうやってひとつになれるか、見つめていきたいと思う。

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