(円卓)王室とモンテッソーリ

(公財)才能開発教育研究財団常務理事
安威 誠

 

このコラム掲載時には、英王室ウィリアム王子の長男ジョージ王子(2)がモンテッソーリ幼稚園に通われているだろうか。昨年末、日本でも大いに話題になった。ただ、モンテッソーリ教育の名は有名だが、どんな内容か分からない人が多いのではないかと思い、少しふれてみたい。

モンテッソーリ教育は20世紀初頭、イタリアの女性医師マリア・モンテッソーリが始めた教育方法である。子どもは生まれながらに自らの力で成長する力を備えており、適切な環境と優れた教材と良き指導者がいれば、子どもの才能は開花することを発見した。そして、自立していて責任感と他への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢をもった有能な人に成長していくことを目的としている。

モンテッソーリ教育を受けた人の中には、世界的に有名人もたくさんいる。ウィリアム王子、ヘンリー王子、オバマ大統領、ビルゲイツ、フェイスブックやグーグル、ウィキペディアの創始者など。斬新な発想と粘り強い行動力でグローバルに成功している。

当財団の日本モンテッソーリ教育綜合研究所附属「子どもの家」という幼児教育施設での1日は。

朝、登園すると、今日のお仕事(子どもの家では活動を「お仕事」と呼ぶ)を自分で考えて決める。例えば算数棒やひらがなカード、あるいは編み物やはさみ、ボタンかけ、一方では、宇宙の模型や恐竜のミニチュアに集まりと、自分から進んで、しかも集中して取り組んでいる。先生たちは常に全体を見渡し、的確に子どもたちの活動をサポートする。この様子を見るととても静かで皆が真剣な様子に驚かされる。分野は日常生活の練習、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育の5つ。これに加え、発達に応じた体育や造形活動も行う。お仕事のときの様子と、元気いっぱいで飛び回って遊ぶときは対照的で、メリハリのある保育が印象的だ。

現在審議中の次期学習指導要領は、知識・技能だけでなく、思考・表現・判断力、主体性、協働性などの育成を目的とし、学びの手法としてアクティブ・ラーニングが話題となっている。モンテッソーリ教育の中にはこれらの要素が凝縮されている。グローバル人材の育成という観点でも、モンテッソーリ教育をはじめ、多様な教育手法を日本でも取り入れる時期にきているのではないだろうか。

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