(円卓)アクティブ・ラーニング

筑波大学附属駒場中・高校中学校副校長 大野新


 

大学入試改革やアクティブ・ラーニングなど、教育界では近ごろ新しい動きが活発である。

中学校や高校の現場にも、さまざまな活動の改革が求められている。新しい動きに対応するためには、長く続けている活動や行事を見直してみるのはどうだろうか。

本校では、中2で東京、中3で東北の地域研究(フィールドワーク)を行っている。これは、生徒が5、6人で班を構成し、自分たちの立てたテーマを探究していくものである。総合的な学習の時間の導入以前から行われており、すでに20年以上もの歴史をもっている。

自分自身が社会科(地理的分野)の教員であることから、長年この活動に関わり、観察できる立場にいた。定点観測から見えるものは、この地域研究が「時代を写す鏡」であるということである。

生徒たちは、廃棄物の最終処分場問題や築地移転問題、大気汚染問題、震災対応などのさまざまな社会問題や、新しく開発される地域に興味を示した。最近では、最先端科学に興味をもつ生徒が増えており、大学の研究室や専門家を訪ね、直接、話を聞く生徒が多い。

この地域研究において、生徒たちは自らで「問い」を立て、探究の道すじを考える。学校の外に出かけて直接インタビューしたり、測定や観察をしたりするなど、具体的な活動計画を立てる。

つまり、研究の初歩を学ぶのである。

近年では、ICTの発達により、彼らの活動はよりスマートになっていった。いまでは発表会をポスターセッションで行うなど、成果のまとめ方や発表の方法も変化している。2年前には、その経験を生かして、中3が後輩たちにも使えるようなガイドブックを作成した。自分たちが経験したノウハウをまとめ、自ら執筆したものである。

スタートしたばかりのSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)では、「○○学」といった地域から発信する研究活動を行っている学校もあるようだ。現在の教科学習の中にアクティブ・ラーニングを導入することも重要だが、さらに視野を広げることで、さまざまな活動がアクティブ・ラーニング化できるのではないかと考えている。地域研究もその1つではないだろうか。

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