(円卓)教育と福祉をつなぐ

岡山大学大学院教授 住野好久

日本の子どもたちの「貧困」が、社会的な問題となっている。子どもたちのおよそ16%、6人に1人が貧困層に属している。そうした子どもたちは、貧困であるがゆえに、生きること、生活すること、学習すること、発達することに、大きな困難を抱えてしまっている。

こうした子どもたちの困難な状況に対応するのは、まず、児童福祉・子ども家庭福祉であが、国は「『学校』をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策の展開」(「子供の貧困対策に関する大綱」平成26年)を提起して、福祉関連機関などと連携することで、学校も対応の担い手になるのを求めている。

しかし、学校においては、平成20年度から国が事業化したスクールソーシャルワーカーの配置は十分なものではなく、また多忙化が進む教員には、外部と連携するゆとりも福祉に関する理解も十分ではないために、福祉との連携は進んでいない。

それでは、学校が福祉と結びついて、子どもたちの生存と発達の権利と最善の利益を守るために取り組まなければならないことは何か。

第1に、貧困であるがゆえに、これまで仲間と学ぶことから疎外されてきた子どもたちの学力や社会性などの発達を、放課後児童クラブ(学童保育)やNPOなどの福祉事業と連携して保障する取り組みである。特に、高校への進学と卒業を保障する取り組みが必要である。

第2に、小学校において、保育所との連携を進めることである。幼小の連携に対し、保小の連携は進んでいない。しかし、貧困の問題を抱えた子どもは保育所に多く、そうした子どもたちと家庭・保護者の情報を共有し、必要な支援を協議することが求められる。

第3に、要保護児童対策地域協議会や地域社会の子ども・子育てをめぐるネットワークに参加し、地域社会における情報の共有と協同の子育て支援に取り組むことである。

第4に、教員の児童福祉・子ども家庭福祉に関する理解を深めるための研修を、福祉の現場にいる専門家とともに実施することである。

もちろん、学校がこれらに取り組めるような環境を、行政的・制度的に整えることが、並行して行われなければならない。教員養成課程の見直しも必要である。

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