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北海道立教育研究所長 西崎毅

 

国際標準としての学力の定着を目指して、教育課程の大きなパラダイム転換が行われつつあります。

また学校では、教員の間の、指導技術の世代間の継承や、いじめなどへの適切な対応など、多くの課題が指摘されており、教職員の資質能力の向上が、これまで以上に重視されています。

北海道立教育研究所(道研)では、所内で行う宿泊型の研修講座に加え、道内各地への出前型講座など、可能な限りの多くの手段を講じて研修機会の提供に努めています。

しかし、本道の広域性ゆえに、時間や旅費の制約などから、研修機会の確保は、必ずしも十分とはいえない状況にあります。

北海道は、東北6県に新潟県を加えた面積に相当する広さを有しています。道内の197市町村には、公立学校だけで2012校、本務教員数は4万3384人を数えます。

このため道研では、研修講座の実施に加え、各道立学校を光ファイバーで結ぶ「ほっかいどうスクールネット」を活用し、研修機会の拡充や研修の効率化・実質化に努めています。

具体的には、各研修講座における著名な講師の方々の基調講義を、インターネット経由で、オンデマンドで動画配信する「どうけんオンデマンド」や、受講者に視聴用コンテンツを研修の前に配信し、事前研修をしてもらっています。さらには、受講者個々の課題の把握や質問・回答を双方向で行う「e―ラーニング」などがあります。

今年度からは、これらの取り組みに加え、道教委の出先機関である14の教育局や市町村の研修センターなどにおいて、指導主事や研究員が、容易に講義や演習に活用できる「研修パッケージ」の開発に着手したところです。

今後、ライブラリーとして配信することができるよう、取り組みを進める予定です。

昨年、道研も関わった研究開発をもとに、高校における「遠隔授業」による単位認定を可能とする国の制度改正が行われました。

ICTの急激な進歩に伴い、教育の方法や研修の在り方にも、今後、一層大きな変化が予想されます。

私たち教育に携わる者は、常に先を見据え、その効果を最大限に利用することができるよう、それぞれの立場で、研究と実践を不断に積み重ねる必要があると考えています。

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