(円卓)21世紀型教育研究所

さいたま市立教育研究所長 竹居秀子

 

子どものこぼれるような笑顔や輝く瞳、校庭に響きわたる歓喜の声。教師が教師としての醍醐味を感じる瞬間に、それらは、いつもそこにある。

それでは、「もう一度仕事を選べるとしたら、また教員になりたいと思うか」の問いかけに、教員経験者の何割が「はい」と答えるだろう。

この質問は、2013年に実施されたOECD国際教員指導環境調査(TALIS)の調査項目の1つである。この項目への教員の回答の割合は、参加国平均が77.6%であるのに対し、日本の教員は58.1%で、参加国中で最も低かった。

その背景には、学校教育が抱える課題の多様化などに伴う教員の多忙化、地域の教育力の低下や家庭環境の多様化」による学校に対する教育上の期待への増加と、そうした期待に十分に応えられない学校への厳しい反応などがある。

夢と情熱をもって教員になったにもかかわらず、教育課題を前にこんなはずではなかったと考える若手教員も少なくない現実がある。さらに、このような社会的背景に加え、グローバル化やAI(人工知能)などの発展によるICT化の波が押し寄せる中で、児童生徒の「学び」の世界に大きな変革が求められている。

それは、地球規模での課題解決が必要な時代において、知識や技能を基に、他者と協働して課題解決したり、新たな価値を創造したりする力などを育成するための「主体的・協働的な学び」である。そして、その「学び」を実現するための教育改革を担う教員には、より高度で専門的な資質能力と、新たな改革に取り組む柔軟性や創造性が必要となるのである。

このように、社会の急激な変化に対応できる教員の資質能力の向上が求められている今、教育研究所としての在り方を見直すことが急務と考える。

本研究所では、市立学校の全管理職および年次研修などを受講した教員およそ千人に、「教員の資質能力の向上を図る研修の在り方」について調査を実施し、分析等を進めている。

若手教員の教育者としての情熱と、学び続ける意欲をいつまでも維持できるよう、そして、もう一度仕事を選べるとしたら、再びさいたま市の教員になりたいと思えるよう、21世紀型の教育研究所の在り方を考える日々が続いている。

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