(円卓)ファシリテーターって?

名古屋市立八王子中学校長 上井靖


 

本校ではトラブル等発生後の対応会議で、校長応接室に常設している大きなホワイトボードの前に関係職員が集まる。ホワイトボードの真ん中に上から下へ1本の線を引き、左側には見たこと聞いたことの事実を、右側には誰かが言っていたことや憶測でしゃべられていることを書き出したりしている。事実と憶測を切り分けて書き出すだけでも情報の整理が促進される。

さらに、懸念される事柄が、課題として違う色のマーカーで書き足される。課題解決のアイデアが出され、最後に収束した今後の対応策が赤マーカーで確認される。その場に集まった者同士で、自発的協働的に課題を見つけて解決していく。

まさにアクティブ・ラーニングのプロセスがこのホワイトボードに描かれている。

このとき、このプロセスを引き出しているのがファシリテーターという役目だ。ファシリテーターとしての私は、「事実や憶測を区別して、あるだけ出し合っていこう!」「懸念は?」「で、どうする?」「この対応は誰が引き取る?」というように、チーム内の合意形成に向けて、この場に対して、発散や収束、コミットメントを促していく。ファシリテーターは、会議だけでなく対話を活性化・整理し、学習などの知的創造活動を促す黒子的役目も果たす。

各授業でも、教師は生徒の能動的な学び、アクティブ・ラーニングを促進させるファシリテーターを担うことになる。

アクティブ・ラーニング型授業を進めていく上で欠かせない2点がある。(1)コンテンツの本質を深く学んでいくためには「問い」が命。その教科の専門家としての深い内容理解に立った「問い」を常に磨く(2)「問い」や「促し」をどのようなプロセスで進めていくかをデザインし、柔軟に対応する。

見えるプロセス(流れ)と見えないプロセス(人の心情の変化)をきちんと見ながら柔軟に進めていくことがとても重要である。コンテンツだけを追っていて、プロセスを置いてきぼりにすると、必ず失敗する。

しかし、失敗から学びが始まる。私たちがアクティブ・ラーナーになり、ファシリテーターとして成長し続けていけば、子どもたちの中からきっと、ファシリテーターが登場してくる!

(NPO法人日本ファシリテーション協会元理事)

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