(円卓)ESDで教育新時代

金沢大学国際基幹教育院教授 鈴木克徳

 

現代は、グローバル化が進む中で社会が激動する時代といえましょう。

そのような社会の変化に対応し、新たに生じてくるさまざまな課題に的確に対処して、皆が安心して安全、快適に暮らしていけるような社会を構築するために必要な能力を身に付けるための学びがESD(Education for Sustainable Development=持続可能な開発のための教育)です。

日本の提唱により2005年から始められた「国連ESDの10年(DESD)」では、ユネスコのイニシアチブの下で、世界的にさまざまな努力が行われました。DESD最終年に当たる2014年には、ユネスコ世界会議が日本で開催され、10年間の成果を高く評価するとともに、次のステップとして「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」の推進が合意されました。

わが国では、今年3月に関係省庁連絡会議で「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム」実施計画(ESD国内実施計画URL=http://www.env.go.jp/press/files/jp/29478.pdf)が策定され、また4月には、文部科学省、環境省による民間団体(持続可能な開発推進会議(ESD-J)、ユネスコアジア文化センター(ACCU))との連携事業として、ESD活動支援センター(http://esdcenter.jp/)が開設されるなど、急速にESD推進に向けた取り組み体制が整備されつつあります。

ESDは従来の成長志向の価値観を見直し、持続可能な社会に向けた新たな価値観を身に付けるための学びです。また学習者が主体的に取り組むような学びのプロセスであることから、ESDの推進は、教育の在り方自体を問い直すきっかけを与えます。

現在進められている次期学習指導要領に向けた改訂作業においても、ESD的な考え方の重要性は繰り返し強調されており、また本学を含む多くの大学でも、ESD的な教育を重視する方向でカリキュラム改革が進められています。

ESDの一層の推進に向けた枠組みが整備されたことを踏まえ、初等中等教育、高等教育を含むすべての教育関係者がESDを実践するような、教育新時代が幕を開けつつあるといえましょう。

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