(円卓)初任者の指導力アップ

岐阜県総合教育センター長 折戸敏仁

 

「何も分からない状態で担任を持つことに対して大きな不安を抱いていたので、少しホッとしました」「担任の先生になるのが夢だったので、少し残念です」

本県で平成26年度から実施している初任者研修の新規システム「スタートアッププラン」対象者の当初の感想である。

昨年12月に出された中教審の答申では、「特に義務教育段階で、初任者をはじめとする経験年数の浅い教員の割合がこれまでになく高くなっている状況下において、初任者に過度な負担がかかっているという指摘もある」との記述がある。

本県の初任者研修においても、小学校の初任者は大半が学級担任であり、特に大学卒業後、直接採用された教員(直採教員)の精神的重圧が極めて大きいことが挙げられる。

こうした現状の改善のため、小学校の初任者(一部の直採教員)を対象に、1年目は指導力に優れた教員の学級の副担任として配置校で研修するとともに、総合教育センターの他、管内の優れた実践者のもとで研修し、次年度に向けて実践を繰り返し、教科指導力と学級経営力を身に付ける。2年目から担任として活躍できるようにすることをねらいとしたのが、この「スタートアッププラン」である。

昨年度末の検証委員会では、通常の初任者研修を受けた教員と比べて、「児童理解をもとに個に応じた指導により、思考力・判断力・表現力を身に付ける授業を.
また副担任として日常的に担任の授業等を参観することにより、見通しを持って業務を行うことができ、残業時間の短縮にもつながっている。

「最初は、なぜ担任がもてないかと、とても不安でした。しかし、この1年で学級担任として目指したい学級や授業について明確に目標を立てることができました」という感想とともに、実際に担任になってみて「1年目に副担任として勤務し、1年間の見通しももてているので、学級行事を生かした学級経営を行ってゆきたい」との感想もみられる。

このシステムを県内全体に広げるためには、人材や予算の確保などさまざまな課題があるものの、初任者がこれからもよりよく成長してくれるのを期待している。

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