(円卓)国際理解教育とESD

中部大学教授 宮川秀俊

 

ユネスコ憲章の理念を学校教育の場で具体的な行動に結びつけるために、「ユネスコスクール」が設置された(1953年)。その目的には、世界中の学校が交流し、生徒間・教師間の情報や体験を共有する国際理解の推進がある。

2005年にESDの拠点としてユネスコスクールが位置付けられた後、それを志向して、特に2014年の「ESDに関するユネスコ世界会議」の開催を契機として、多くの学校が加盟した。

最近の調査によると、ユネスコスクール加盟の理由は、小学校、中学校、高校共に、「地域との連携を深める」「他校(者)に勧められた」に続き、「世界中のユネスコスクールと情報交流する」とした回答が3番目になっている。

またESD活動のテーマは、「環境」「生物多様性」「世界遺産や地域の文化財」に続いて、「国際理解」が4番目にあげられている。

「国際理解」に関わる活動は、校種別では高校が多い。これは、その内容や方法の展開上、外国の協定校との交流、外国への修学旅行、特に最近の国際(理解)コースや国際英語科の設置、スーパーグローバルハイスクールの指定等により、高校で取り組みやすいことの影響もあると思われる。

一方、ESD活動を行う時間や教科では、3校種とも「総合的な学習の時間」が最も多い。これは「情報」「環境」「福祉・健康」に加えて、「国際理解」の例示があることに起因していると思われる。

「ESD活動の時間が取れない」という調査結果からも予測できるが、この時間に限ることなく、学校全体や他の教科等における取り組みも十分考えられるし、必要でもあろう。

わが国のユネスコスクールが約1千校になった現在、ユネスコ憲章の理念に戻って、今一度、国際理解に関わる教育の大事さを考える時期に来ているかもしれない。

次期学習指導要領では、小学校中学年で外国語活動、高学年で教科としての外国語が設置されることとなった。言語の学習を通しての国際理解とともに、ESD活動の一環としての国際理解教育を小学校から取り組むことは、社会の国際化、グローバル化に連動して相乗的な効果があると思われる。

もちろん、ユネスコスクールに加盟していない学校にも、これは共通の課題である。

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