(円卓)内部からの改革

(一財)総合初等教育研究所室長 梶井貢

 

次期学習指導要領に向けた審議まとめが示された。改訂は教師の授業観や学校の体制づくりに大きな転換を迫る。キーワードは「社会に開かれた教育課程、資質・能力の育成、アクティブ・ラーニング、カリキュラム・マネジメント」である。

果たして資質能力を授業レベルまで細分化できるのか、時数を増加せずにアクティブ・ラーニングは可能なのか、高校の改革や高大接続は大丈夫なのか等の課題はあると思う。

しかし、総じて「子供の意欲や可能性」を全面的に保障する方向性は大いに賛同できる。21世紀を担う子供たちには、活力をもち、個性豊かに、世界の人々と伍していける人間に成長してほしいと願うからである。

肝心なのは学校現場の姿勢だ。真に改革を推進するのは、制度ではなく教師の意識だからである。新学習指導要領が根付き広がり深まっていくかどうかは現場の意識次第である。国や自治体の教育行政からの指示と受け止めるのか、まさしく教師集団がアクティブに(主体的・対話的)対処するのか、周知徹底の分かれ目となる。

その点についての課題と自分なりの解決策を提案してみたい。

一つは、現在の学校現場には、とかく多忙感や無力感が広がり、消極的な姿勢が見受けられる。いろいろな教育課題が、子供・保護者や行政から突きつけられて、どうしても受け身になりがちだ。しかし、教育のプロとして子供たちの未来のために、教師自身が活力に満ち、ポジテイブに取り組む必要がある。そのためにも、管理職やミドル層の奮起とリーダーシップの発揮が望まれる。学校挙げて、前向きに対処する雰囲気を醸成してほしいと考える。

二つには、都心部を中心に若手教師が急増している。学習指導要領の改訂を経験してないのに大丈夫かとの危惧がある。確かに今を教えるのに手一杯の状況ではある。改訂の趣旨や具体的な内容が適切に理解できるか心配でもある。

しかし、若者にはエネルギーがあり、子供同様に大きな可能性をもっている。それを信じて先輩達とじっくりと協議し、学び取ってもらいたい。そのためには「職場の同僚性」を高めるのが重要になる。チーム学校の実現には、前提として教師チームの連携強化こそが大切になる。

改訂実施に向け内部からの教育改革の機運を盛り上げてほしい。

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