(円卓)子供たちの未来をつくる

認定NPO法人アジア教育友好協会理事長 谷川洋

 

仕事としての教育者ではなく、生涯「先生」としての人生に挑戦しませんか。

小・中学校で教師として子供たちの前に立った方々は、きっと生涯、教え子から「先生、先生」と慕われ、憧れや尊敬の念を抱かれて過ごすことが多いと思う。

私は長年、商社に勤務し、私なりに出世コースを歩んでいた。定年まで勤め上げ、3人の子供に対する親の義務も果たし、その後は悠々自適。そんな人生を描いていた。

その計画が狂ったのは、妻のがんだった。海外の支社長職も用意されていたが、妻の治療を考え、断ることにした。

それから4年後、妻は亡くなる。私が55歳の時だった。

定年退職まで2カ月となったある日、「アジアの辺境で学校づくりのできる人を探している」という話をもらう。「学校が完成したら終わりではなく、その後も機能しつづける学校をつくりたい。学校建設を根本から変えたい」という趣旨に賛同し、途上国の学校支援のNPOを自ら創設することになる。

「人生の切り替え時が来た」と考えた。

ラオス、タイ、ベトナム、スリランカ、ネパール、中国雲南省。大変な山岳地域の少数民族の村々を訪れ、学校建設に関わってきた。2004年から始まり、その数は250校を超えた。学校が出来ることで村がまとまり、村が活気づく、そんな場に何度も立ち会ってきた。学校建設は、村の子供たちの将来を、未来をつくる仕事だ。

そしてその経験を、日本の子供たちにも伝えている。出前授業も540回を超えた。日本とそれらの国の子どもたちが交流し、村の子供たちだけでなく、日本の子供にも多くの良い影響がある。

「子供が変わるのを見る。こんな幸せはない」。この思いに共感してくださる方は、まさに仕事としての教職員ではなく、生涯、「先生」という人生を選んだ方々であると思う。

今の活動を通じて多くの出会いがあった。しかし、心から信頼できる熱血先生に会うことが少ない。哀しいことだが、「教職員」なのだ。知識を教えるプロ(職業人)になっており、人生を教える「師=人格者」が少ないのだ。

生涯現役として、この社会に恩返しの人生を送りたい。東南アジアと日本の子供が変わる、瞳の輝きが変わるのを私たちと一緒に見つづけませんか。

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