(円卓)日本の子供の貧困率

(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン国内事業務副部長 津田知子

 

「家の修理や家財の買い替えで出費が多く、子供のための費用の捻出に苦労している」「受験生でもあり、休校した分の学力を取り戻させたいと思っていたが、塾の費用もなかなか高額で頭をかかえていた」「義務教育なのに、自力でそろえなくてはならないものがありすぎで、うれしい進学も、正直なところ、すごく苦しい」「中学生となり、一段と部活等でもお金がかかる」

これは、当団体が給付金の提供などを通じて熊本と東北の被災地で聴いた保護者の声。

熊本は地震後3カ月、東北は東日本大震災から5年経った時点のものになるが、どちらも、被災の影響、さらには経済的困窮により、子供の学校生活や教育に関わる費用の工面に頭を抱える保護者の姿がある。

日本の子供の貧困率は16・3%。6人に1人の子供が相対的貧困下にいるといわれる。その中で、被災地かどうかにかかわらず、同じような思いを抱える保護者は、少なくないだろう。

OECDによれば、2012年の加盟各国の国内総生産(GDP)に占める教育費の公的支出の割合は、加盟諸国平均が4.7%、日本は3.5%で最下位。また文部科学省によれば、子供にかかる学習費の総額は、公立小学校の場合は年間約32万円、公立中学校の場合は年間約48万円にのぼる。

公立小・中学校の教育費は無償といわれるが、実際には、学校教育費や学校給食費、さらには学校外活動費と、子供の教育費の多くが保護者の負担となっているのが現状である。「子供の貧困対策に対する大綱」が策定されてから早2年。家庭の教育費負担の軽減が、いま一歩進展するのを望む。

保護者は経済的に厳しい中でも、「子供の行事やサッカーの応援を休むのは嫌で、お給料と休みを天秤にかけている」「金銭的な理由で子供の進路ややる気をせばめたくない」「塾に通わせる余裕はないので、ドリルを買って一緒に勉強する」などと語り、わが子を思い、必死に前を向こうとしている。そして、その保護者の傍らには、今を生きる子供がいる。

すべての子供が夢や希望をもち、成長できるように、私たち大人は、社会は、何ができるのか。被災地からあがる声なき声にしっかり耳を傾け、それらの声を社会に届けながら、子供や保護者とともに歩んでいきたい。

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