(円卓)国際化とグローバル化

金沢大学理事・副学長 福森義宏

 

漢字の「国際化」とカタカナの「グローバル化」は、異なる意味を持つ。

「国際化が国の枠組みを前提として国家間のあり方を検討する問題であるのに対し、グローバル化はいかに国家の枠組みと国家間の壁を取り払い、資金、人、技術などの資源が自由に移動できる制度を形成するかの問題である」(PHP政策研究リポートvol.4、p.1,2001)。

この相違を、そのまま国立大学に当てはめることはできないかもしれない。だが、極端なことをいえば、大学がグローバル化を進めるためには、大学の枠組みや大学間のカベを取り払うことが求められ、その特性や個性をある程度失うことになるのではと危惧される。

これまで、各国立大学は、特色ある教育・研究・社会貢献を実施し、多様な基礎研究や応用研究を推進してきた。そして、このことが、国立大学から数多くのノーベル賞受賞者が生み出されてきた理由の一つであるのは、間違いない。

平成26年度から、文部科学省はスーパーグローバル大学(SGU)創成支援事業を開始した。その目的として、「大学改革」と「国際化」を断行し、「国際通用性、ひいては国際競争力の強化に取り組む大学の教育環境の整備支援」を掲げている。スーパーグローバル大学に求められているのは、「国際化」の強化推進である。

国際社会に開かれた高等教育機関として、教育・研究・社会貢献を強化し、学長のリーダーシップの下で「大学改革」を断行し、同事業が掲げている10年後の姿を実現することである。

スーパーグローバル大学(タイプB)に選ばれた金沢大学は、東アジアの知の拠点として、独自のグローバル人材育成スタンダード(KUGS)に基づく質の高い教育を提供し、世界で活躍する「金沢大学ブランド」の人材を輩出する大学になるのを目指している。

18歳人口の減少、財政不安……。いま、大学にとって厳しい時代を迎えている。
SGU事業だけにかかわらず、どのような事業を実施するにしても、「金沢大学としての特性や個性を明確にすること」を念頭に置きながら、「国際化」と「グローバル化」に取り組むことが、大学の存在を担保するものであると強く思うのである。

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