(円卓)守るべきは子供

NPO法人ユース・ガーディアン代表理事 阿部泰尚

 

いじめ予防に役立てるための講演会を開催してくれた長崎の方から感想が届いた。私が言い続けている「守るべきは子供」に多くの方が共感したという。

私はいじめの調査報告書の他に解消策や対策の問題点を示した意見書を発行する。目的は「守るべきは子供」であり、被害児童生徒の保護やフォロー、加害児童生徒や傍観者層への「いじめはしてはならない。放置してはならない」を中心に考察している。被害児童の保護者と学校の対立やモンスターペアレントについて言及する場合もある。私は無償で対応するからどの立場にもしがらみがない。被害児童の保護者が過剰反応すれば意見書で誤った対応だと論じるし、学校がいじめ認定をかわそうとすれば詭弁と糾弾する。

全て「守るべきは子供」との意志を貫徹しているからだ。保護者よりも子供の気持ちが重要で、学校の保身や教員の大変さよりも子供の気持ちと生命が比べるもなく重要との姿勢を示し続けている。そんな内容に言及した意見書には、家庭教育と学校教育は対で、被害児童生徒を守るためにも学校と保護者は協力関係を構築すべきであるし、一方で加害行為が起きないよう保護者らと学校は緊密な連携や相互補完の協力関係を持つべきと結ぶ。

「守るべきは子供」のいじめ対策を始めて約12年、曲げたことも変えたこともない。自分の立場が危うくなろうが本業に影響が出ようが、絶対に逃げず裏切らず。無償で対応し人手を使えば、NPOも損失を負う。公務でも委託でもないこの活動は生活の糧にはならないが、見ず知らずだった子供をいじめから救い出し守ることができる。理念は多くの人に受け入れられつつあると強く感じる。

今年8月に熱病のように書き上げた「いじめ自殺防止のための共同宣言」は多くの方や団体から共感いただき、多くのメディアで取り上げてもらえた。運営する探偵社には、いじめ対応のために優秀な学生がインターンで手伝ってくれたり、ライバル会社が友好関係を申し出てくれたりする場合もある。これまで蓄積した解決のノウハウを教えてほしいとの問い合わせも。

「守るべきは子供」を愚直なまでに貫く。そのために磨いたスキル、獲得した技術や知識、人脈などは大きな財産だ。学校現場でもこれを貫き、日本の未来をつくる子供たちを守ってほしい。

あなたへのお薦め

 
特集