(円卓)開かれた教育経営

上越教育大学名誉教授 新井郁男

 

次期学習指導要領で、「開かれた教育課程」という方向が示されている。

重要な視点として注目したいが、「開かれた」とは何を意味しているのか分かりにくいという声も聞く。

私は近著『教育経営の理論と実際』(教育出版)において、「開かれた教育課程」を「開かれた教育経営」として考察しているところである。

内容は同著に譲り、ここで詳述はできないが、「開かれた」について、「地域に向かって開く」と「学校の内部を開く」という2つの方向を提起している。いずれも重要であるが、特に、教師間の連携によって、校内に開かれた関係をつくるところを強調したい。

教師は免許の面での専門性と同時に、得意な分野などを持っていることも多いであろう。そうした面をも土台にした、校内人材バンクづくりも重要だと思っている。

それから次期学習指導要領では、小学校に英語を教科として導入するなど、時間の運用の仕方が大きな課題となっている。

私は長年、「『教育と時間』研究会」なるものを続けてきており、さまざまな実践的研究を行ってきている。そこで改めて重要だと思うのは、時間割の編成の、「タスク・オン・タイム」から「タイム・オン・タスク」への転換である。

タスク・オン・タイムとは、決められた時間に応じて、教育・学習課題を考える編成方式である。

タイム・オン・タスクはその逆に、課題に応じて時間を設定する方式で、フレキシブル・スケジューリング、つまり「柔軟な時間割編成」などとも呼ばれている。

現代の学校ではタスク・オン・タイムが基本だが、いま求められているのは、英語に限らず、全体として、柔軟な時間編成を検討することではないだろうか。もちろん、現実には困難な課題である。特に教科担任制となっている中学校、高校では難しいであろう。

しかし、可能な範囲で、少しでも実現されるのを期待する。1週間を単位として考えるのではなく、2週間、学期、年間など、時間割の周期や休み時間なども視点として考える必要があるだろう。
時間帯と脳の働きの関係についての研究も進んでおり、例えば『時間の使い方を科学する』(一川誠、PHP新書)など、時間編成で参考にできる本もある。

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